
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は3月18日、東京ミッドタウン(ミッドタウン・タワー)にてレフェリーブリーフィングを開催。今年のJリーグ序盤戦における審判員の判定について、見解を示した。
今年のJリーグ序盤戦では、接触プレーの判定に対する批判が各方面より噴出。サンフレッチェ広島を率いるミヒャエル・スキッベ監督も、3月2日のJ1リーグ第4節横浜FC戦後に「日本のサッカーは間違った方向に進んでいます」と不満を露わに。「(今季開幕前の)宮崎でのキャンプのときに、審判から説明があった。今シーズンはプレーイングタイム(※)を長くしていこうという話があったが、それによってファウルを流される、ファウルを何回受けても、ひどいファウルがあったにも関わらず、カードが出ずに流されている現状がある。非常に残念です」と、今季序盤のレフェリングに苦言を呈した。
Jリーグ担当審判員への不信感が募るなかで、JFA審判委員長の扇谷健司氏と審判マネジャーJリーグ担当統括の佐藤隆治氏(元国際審判員)は何を語ったのか。ここでは本ブリーフィングにおける彼らのコメントを紹介するとともに、サッカーにおける接触プレーの判定基準を改めて整理したい。
(※)アクチュアル・プレーイングタイム。サッカーの試合において、実際にプレーが動いている時間のこと。

「競技規則が変わったわけではない」
本ブリーフィングの冒頭で、扇谷氏は今季序盤の騒動に言及。アクチュアル・プレーイングタイム(APT)を伸ばす目的で、ファウルと判定すべき事象を黙認するような方針は審判委員会として打ち出していない旨を強調した。
「我々としてはAPTを伸ばすために、何か判定基準を変えたというのは一つもございません。そういう記事(Jリーグ担当審判員がAPTを伸ばす目的で、あえてファウルをとらないと書かれた記事)を拝見しましたので、今日この場でお話しさせていただきたいと思いました。競技規則が何か変わったわけでは決してありません」
「ただ、“判定の標準”は全体として上げていきたいと思っています。2050年までに日本代表がFIFAワールドカップを制するという(JFAとしての)目標があるなかで、これは我々審判員にとって新たなチャレンジとなっています。また、日本サッカーの象徴であるJリーグがより魅力的なものとなるよう、レフェリーサイドとして何ができるかを常に考えています」
「我々がレフェリーたちに伝えているのは、反則ではない事象に笛を吹くのはやめようということ。レフェリーたちはピッチ上でベストを尽くしてくれていますが、試合を映像で振り返ったときに、『この反則をとるの?(これをファウルにするの?)』、『これは何の反則なの?』と疑問を抱く場面が少なからずありました。判定の標準を上げていくなかで、反則ではないプレーに笛を鳴らすのはやめようと。これに改めてトライしようと、レフェリーたちには伝えています」
「逆に言うと、反則にあたるプレーには笛を鳴らす。レフェリーが反則を確認したうえでプレーを続けさせるのであれば、アドバンテージ(※)が本来採用されるべきです」
「ただ、皆さんも試合をご覧になって分かる通り、本来反則と判定しなければならない事象に笛が吹かれなかった場面が、残念ながらあります。これに関しては、今シーズンからいきなりファウルの笛を吹かなくなったわけではなく、今まで(昨年以前)もあったと思うんです。先日もプロフェッショナルレフェリーのキャンプがあったなかで、反則にあたるプレーには笛を吹きましょう。(反則を確認したうえで)プレーを続けさせるのであれば、アドバンテージのシグナルをしっかり示しましょう。そして反則でないものに笛を吹かない。その見極めをしっかりしましょうとレフェリーには伝えています」
(※)審判員が反則を確認したが、試合を止めないほうが攻撃側チームに有利になる場面において、プレーを続けさせること。
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