
3月2日に第3節までを消化した2025明治安田J2リーグ。ここまでは、昨年J3を制し1年でのJ2復帰を果たしたRB大宮アルディージャが首位を走る。一方で、昇格候補と目されていた北海道コンサドーレ札幌やサガン鳥栖といったJ1からの降格組が未勝利で下位に沈む波乱の展開となっている。
全20チーム中半数を超える11チームがJ1経験ありと実力のあるクラブが揃った今季のJ2リーグ。すでに混戦が予想されるシーズン序盤となっているが、例年終盤まで昇降格やプレーオフ圏争いが繰り広げられることを考えるとまだまだ序の口といったところなのだろう。
そんなJ2リーグにおいて、現在上位につけるチームを中心に活躍が目立つのは今冬新たに加わった新戦力たちだ。昨年のJ2上位勢やJ1組から選手を獲得したクラブも多いだけに、即戦力として早くもチームを牽引する働きを示す選手も少なくない。ここでは、開幕から出場機会を得てすでにチームに必要不可欠な存在となっている選手を4名紹介していく。

エドゥアルド(V・ファーレン長崎)
昨季はリーグ戦を2位と勝ち点1差の3位で終え、J1昇格プレーオフ進出を果たしたV・ファーレン長崎。残念ながら準決勝でベガルタ仙台に敗れJ1復帰は叶わなかったが、昇格に向けて前進したシーズンであったことは間違いない。今冬は主力のほとんどがチームに残留したことに加え、各ポジションに実力者を獲得し開幕を迎えている。
そのうちの1人、横浜F・マリノスより加わったDFエドゥアルドの働きが際立っている。横浜FMのほか川崎フロンターレでもJ1優勝の経験を持つエドゥアルドは、開幕から3試合すべてにスタメンフル出場中。高い守備力もさることながらセットプレーの場面ではターゲットとしても存在感を発揮し、第2節のレノファ山口戦で早速加入後初ゴールも挙げている。
ここまで3試合での失点が「4」と多いが、同じく守備陣の新加入ではGK後藤雅明やDF高畑奎汰といった選手たちも定位置を掴んでおり、連携面の強化によって今後は改善が十分に見込める。昇格はもちろん今季優勝の筆頭候補でもある長崎。エドゥアルドには、そんなチームの守備の要として無双する姿を見せてほしいものだ。

ガブリエウ(RB大宮アルディージャ)
昨季はクラブ史上初となるJ3を戦ったRB大宮アルディージャ。期限付きで加入していたFW杉本健勇やMF泉柊椰らの活躍もあり、第32節終了の時点で早々に昇格を確定させた。続く第33節では優勝を決めて今季はJ2の舞台を戦っている。杉本、泉が完全移籍へと移行したことに加え、この冬はJ2を戦い抜くべく積極的な補強に動いた大宮。その目玉の1つが、横浜FCから加入したDFガブリエウだ。
開幕からスタメンに名を連ね新たな守備陣の軸として躍動。前方へのパスの精度も高く、奪ってから素早く攻撃に移せる技術の高さが大きな武器だ。直近のシーズン、横浜FCでJ1昇格を決めガブリエウ自身も25試合に出場しリーグトップの失点の少なさを誇ったチームで守備陣の一角を担っており、今季の大宮にとっては頼もしい要素だ。
開幕3連勝でスタートダッシュに成功した大宮。まだまだ始まったばかりのシーズンだが、昨季J3での積み上げを活かしつつガブリエウらの活躍から補強の効果も十分に出ていると言えよう。とはいえ、難敵ばかりのJ2で一歩間違えれば思わぬ苦戦を強いられることもある。特に大宮は、J3への降格も経験したことでその難しさを痛感しているとも言える。まずはこのまま守備の安定を保つためにも、ガブリエウには昨季の経験をチームに落とし込むことも求められる。
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