
1998年にフランスで行われたFIFAワールドカップ(W杯)初出場をきっかけに、日本サッカーは世界への扉を開いた。その後に自国開催された2002年の日韓W杯で日本代表の中心的存在となったのが、1979年前後に生まれたいわゆる「黄金世代」だ。
中田英寿(2006年引退)、小野伸二(2023年引退)、中村俊輔(2022年引退)、稲本潤一(2023年引退)らを筆頭に、豊かな創造性と高い技術を持ったMF陣が次々と海外に挑戦。当初、日本人が世界のトップリーグで通用するのか疑問視する声もあったが、彼らは優れた戦術理解力や高度なスキル、そして日本人特有の真面目で献身的な姿勢を武器に評価を獲得していき、その後に続く世代の道を切り拓いた。
その結果、日本人MF選手の市場価値も一歩ずつ上昇し、欧州各リーグにおいても一定の存在感を示すようになってきた。そんな歴史の中、現役選手も含めて最高市場価値が最も高い日本人MFの選手は誰なのか。ランキング10位までを紹介したい。(Transfermarktより。日本円は2月24日時点のレート換算)

10位:中村俊輔(2022年引退)
市場価値最高額:約14億3,000万円(2007年9月20日、セルティック在籍時)
日本が誇るレフティーとして数多くの直接FKや壮絶なテクニックでファンの心をつかんできた中村俊輔。市場価値が最高額に達したのはスコティッシュ・プレミアシップの強豪セルティック在籍時(2005-2009)だ。2006/07シーズンUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の舞台でプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド相手に2戦連続で決めた驚異的なFKは、今もなおセルティックファンのみならず、多数のサッカーファンの脳裏に焼き付いているであろう。

9位(8位タイ):清武弘嗣(大分トリニータ)
市場価値最高額:約15億7,000万円(2013年8月27日、ニュルンベルク在籍時)
現在35歳となったMF清武弘嗣は、その類まれな足元のスキルと正確な長短のパスで試合をコントロールする術を持った選手だ。市場価値が最高額に達したのは、当時ブンデスリーガ1部に所属していたニュルンベルク(現2部)在籍時(2012-2014)。ニュルンベルクでは全コンペティションで66試合に出場し7ゴール19アシストを記録しており、中盤の攻撃的な選手として活躍していた。

8位:中田英寿(2006年引退)
市場価値最高額:約15億7,000万円(2004年10月4日、フィオレンティーナ在籍時)
日本人MF選手の欧州5大リーグへの道を開いたまさに張本人といえる中田英寿。当たり負けしない強靭なフィジカルに加え、正確無比な長短のパス、冷静なゴール前での判断力。そして何よりも魅力的だったのは、強烈なリーダーシップに精神力の強さだ。セリエAのローマ在籍時(2000-2001)にはスクデット獲得に大きく貢献。市場価値が最高額に達したのは後のフィオレンティーナ在籍時(2004-2006)だ。2004年に15億円の価値があった中田が現在の移籍市場にいたら、その評価額は当時とは比べものにならないほど高騰していただろう。

7位:旗手怜央(セルティック)
市場価値最高額:約17億2,000万円(2023年6月26日、セルティック在籍時)
2019年にJ1川崎フロンターレに入団し、3シーズンを過ごした後に欧州サッカー界の名門クラブの1つであるスコティッシュ・プレミアシップのセルティックに移籍を果たしたMF旗手怜央。2021/22シーズン途中での移籍ながら、その類まれなパスセンスとゲームコントロール能力で自らの立場を確立し、2022/23シーズンには同リーグで年間ベストイレブンに選出された。その後に市場価値が最高額に達しており、現在もプレミアリーグへの移籍の噂が絶えない選手だ。

6位:遠藤航(リバプール)
市場価値最高額:約20億4,000万円(2023年10月9日、リバプール在籍時)
日本代表のキャプテンを務めるMF遠藤航が、2023年の8月にプレミアリーグの名門リバプールに移籍した当時、イギリスのサッカーファンや関係者からその実力には多くの疑問が投げかけられていた。しかし、ユルゲン・クロップ前監督の信頼を徐々に獲得し、2023/24シーズン序盤に実力を発揮すると市場価値は最高額に到達。今2024/25シーズンはアルネ・スロット監督の元でクローザーとしての役割を担っており、選手としての模範的な態度により、その価値は市場価値の金額以上にあるのは間違いないだろう。
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