
パリFCのホーム全試合無料開放
パリFCは市民により関心を持ってもらおうと、昨2023/24シーズンからホーム全試合を無料開放している。その甲斐あって、一昨シーズンの年間平均4,000人から今2024/25シーズンは倍以上の8,800人と、リーグ・ドゥの中でも5番目に多い観客を集めている。昨シーズン2部にいた古豪のサンテティエンヌとの一戦では、約2万人収容のスタンドが満員となったようだ。
パリ市の南地区にあるホームスタジアムのスタッド・シャルレッティは、過去になでしこジャパン(サッカー日本女子代表)がフランス女子代表とフレンドリーマッチを行ったことがある。PSGの女子チームも以前はここを本拠地にしていた。
地下鉄の駅近くにありアクセスはいいのだが、惜しむらくはフランスでも珍しい陸上トラック付きのスタジアムである点だ。レッドブル・グループの総合ディレクターに就任したユルゲン・クロップ氏が視察に訪れた際には、「こんなに離れたところからサッカーを見たのは、テレビ観戦した時以来だ」とジョークで皮肉ったという。
パリFCもこのスタジアムではリーグ・アンに相応しくないと感じているようで、パリを本拠地とするプロラグビークラブ、スタッド・フランセの本拠地であるスタッド・ジャン・ブーアンをホームスタジアムにすることを狙っていると言われている。しかし、スタジアム使用に絡むスケジュール面や、芝を人工芝からハイブリッド芝に張り替える必要があるなど課題も多く、話し合いは難航しているようだ。
さらに同スタッド・ジャン・ブーアンは、PSGのホームスタジアムであるパルク・デ・プランスのすぐ隣で、PSGのオフィシャルストアもジャン・ブーアンの建物内にある。ライバルクラブのショップが本拠地にあることを許すわけにもいかない事情もあり、この辺りの調整も必要となるだろう。

パリダービーに期待
周辺都市を含めると約6,300万人もの人口を誇るパリ。これはロンドンの約6,200万人、ローマの約6,100万人に匹敵する数字であり、これまでダービーマッチが存在しなかったのが不思議なほどだ。
これまでフランスでのダービーマッチと言えば、PSG対オリンピック・マルセイユの「ル・クラスィク(フランスダービー)」だった。ル・クラスィクがフランス南北の“都市対抗戦”の色が濃い一方、パリFCがPSG並みの実力を付けた暁には、パリジャンたちを二分する真の意味での熱いダービーマッチが期待できる。
アルノー一族という超大富豪と、レッドブル・グループがタッグを組んで、フランスサッカー界に革命を起こそうとしているパリFC。数年後には欧州のサッカー界に君臨し、チャンピオンズリーグ(CL)の常連になっているかもしれない。それだけのポテンシャルを秘めているだけに、今季のリーグ・ドゥの順位表も注意深くウォッチする必要がありそうだ。
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