
5位:渡辺剛(コルトレイク/ヘント)
在籍年:2022-2023(コルトレイク)、2023-(ヘント)
通算出場試合数:89(8010分)
ヘントに所属するDF渡辺剛は、2021年12月にJ1のFC東京から2021/22シーズン途中にコルトレイクへ完全移籍を果たした。ベルギーは初の海外挑戦であり、移籍当初は異なるリーグでのプレースタイルやフィジカル面での適応が求められ、14節中スタメンは7試合、ベンチ外は5試合となっていた。
2023/24シーズンはプレシーズンからの参加でチームに馴染み、リーグ全体のフィールドプレーヤーの中で唯一、全試合フル出場を果たし一気に頭角を現した。同時にインターセプト数、タックル勝率、空中戦の勝率など複数の守備指標でリーグトップの成績を記録する偉業を成し遂げ、ベルギー国内でも評価を高めた。特に対人守備の強さと、攻撃の起点となる正確なパスによるビルドアップ能力が光り、クラブにとって貴重な戦力となった。
その活躍が評価され、2023年6月には強豪ヘントへの移籍が決定。新天地では3バックの一角として出場機会を得ると、安定したパフォーマンスを披露。2023/24シーズンはリーグ戦26試合に出場し、2ゴール2アシストを記録。今2024/25シーズンも22節まで全試合に出場している。
また、渡辺の特筆すべきポイントには、現在までにベルギーの地でDFというポジションでありながらも、レッドカードやイエローカード2枚での退場がないことも挙げられる。安定した選手として今後もリーグを代表するディフェンダーとして成長を続けるはずだ。

4位:伊東純也(ヘンク)
在籍年:2019-2022
通算出場試合数:100(8,829分)
FW伊東純也(現スタッド・ランス)は、2019年2月にJ1の柏レイソルからヘンクに期限付き移籍し、2020年に完全移籍を果たした。ヘンクでの在籍期間中は主に右ウイングとしてプレーし、自慢のスピードと卓越したスキルとドリブルでチームの攻撃を牽引。特に、縦への突破力と正確なクロスで多くのチャンスを創出しつつ、日本人離れしたペナルティーエリア外からの強烈かつ正確なシュートでチームメイトから熱い信頼を得ていた。
2018/19シーズンはシーズン途中での加入とあって、リーグ戦では4試合出場1ゴール1アシストに留まるも、優勝に貢献。翌2019/20シーズンに入ると開幕からスタメンに抜擢され、リーグ戦29試合に出場、5ゴール7アシストを記録し、一気にチームになくてはならない存在となった。
2020/21シーズンには、ベルギーの地で自身キャリア初の2桁得点(10ゴール12アシスト)を達成。また、同シーズンのベルギーカップ決勝では先制ゴールを挙げ、チームの優勝に大きく貢献した。これらの活躍により、現地メディアやファンから高い評価を受け、リーグの年間MVP候補にも名前が挙がった。
伊東はヘンクでの3年間の在籍でリーグ戦通算100試合に出場し、24ゴール36アシストを記録。その後、2022年7月にフランスのリーグ・アン、スタッド・ランスに移籍し、現在同チームの攻撃を牽引し続けている。ベルギーでの伊東は、自身のプレースタイルを成熟させたのはもちろんだが、欧州の舞台で日本のオフェンシブな選手の評価を高める重要な役割を果たしたと言っても過言ではないだろう。

3位:シュミット・ダニエル(シント=トロイデン/ヘント)
在籍年:2019-2023(シント=トロイデン)、2024(ヘント)
通算出場試合数:119(10,710分)
GKシュミット・ダニエル(現名古屋グランパス)は、2019年7月にJ1のベガルタ仙台からシント=トロイデン(STVV)へ完全移籍を果たした。移籍初年度から持ち前の反射神経と197cmの恵まれた体格を活かしたハイボール処理の強さに加え、足元の技術を活かしたビルドアップ能力でも評価され、正守護神の座を確保した。
STVVでは、怪我における欠場はあったものの各シーズンで安定したパフォーマンスを見せ続け、2022/23シーズンにはキャプテンマークを巻くこともあった。在籍期間を通じてリーグ戦110試合に出場し、33度のクリーンシートを達成するなど、ベルギーリーグにおける自身の地位を確立したかに思えた。
しかし、2023年12月に強豪ヘントへ移籍した後、状況は一変。移籍2023/24シーズン後半に出場機会を得たものの、8試合に出場も1勝5敗2分けとチームの成績が伸びなかったことに加え、4失点を2回喫するなど不安定な結果に。また、チームのシステム変更や競争の激化により、2024/25シーズン前半戦はリーグ戦1試合の出場にとどまった。これにより、コンスタントなプレー機会を求め、2025年1月に名古屋へ完全移籍した。

2位:川島永嗣(リールセ/スタンダール・リエージュ)
在籍年:2010-2012(リールセ)、2012-2015(スタンダール・リエージュ)
通算出場試合数:121(10,890分)
GK川島永嗣(現ジュビロ磐田)は、2010年南アフリカW杯での活躍を経て欧州挑戦を決断し、2010年7月にJ1の川崎フロンターレからリールセへ移籍した。加入初年度から正ゴールキーパーの座を確保し、初年度の2010/11シーズンは23試合に出場、2011/12シーズンは全30試合に出場。安定したセービングと冷静な判断力が評価され、2シーズン連続でチームMVPに選出された。さらに2シーズン目後半にはキャプテンマーク巻くなどリーダーシップを発揮し、チームの1部残留に大きく貢献した。
満を持して2012年、ベルギーの名門スタンダール・リエージュへ移籍。初年度の2012/13シーズンにはリーグ戦全30試合にフル出場し13のクリーンシートを達成するなど、選手キャリアのピークと思われる時期を過ごした。しかし、2014/15シーズンは新たなGKの加入により、出場機会が減少。2015年にクラブを退団し、フランス2部のメスへ移籍することとなった。
リールセ、スタンダールでの川島の活躍は、日本人GKがフィジカルやプレースピードの速いベルギーリーグで通用することを証明し、後に続く選手に影響を与えた功績は高く評価されているはずだ。

1位:森岡亮太(ワースラント=ベフェレン/アンデルレヒト/シャルルロワ)
在籍年:2017-2018(ワースラント=ベフェレン)、2018-2019(アンデルレヒト)、2019-2024(シャルルロワ)
通算出場試合数:171(15,283分)
MF森岡亮太(現ヴィッセル神戸)は、2017年6月にポーランド1部のシロンスク・ヴロツワフからワースラント=ベフェレンに移籍し、ベルギーでのキャリアをスタートさせた。ベフェレンでは、攻撃的ミッドフィールダーとして正確なパスやゲームメイクセンスを武器に、2017/18シーズン途中までのリーグ戦24試合で7ゴール11アシストを記録。瞬時の判断力と創造性あふれるプレーでチームの攻撃を牽引し、中心選手として存在感を示した。
この活躍がすぐに評価され、2018年1月同シーズン途中にベルギーの名門アンデルレヒトへ移籍を果たした森岡。加入直後からスタメンに定着し6試合に出場し3ゴール3アシストを記録。同シーズン2チームで通算30試合に出場し10ゴール14アシストと、ベルギー移籍初シーズンで2桁ゴールと2桁アシストという結果でインパクトを与えた。
しかし、翌2018/19シーズンは出場機会が一気に減少しベンチ外の日々が続いた。その主な要因として、フィジカルコンディションの不備が指摘された。当時のハンス・ヴァンハーゼブルック監督(現無所属)は、森岡のオフシーズンの過ごし方に問題があったと語ったことがメディアで報道された。森岡はそのまま信頼を回復できずに、2019年1月にロイヤル・シャルルロワへ期限付き移籍した。
新天地シャルルロワでは輝きを取り戻し、翌2021/22シーズンには完全移籍。5年半の在籍期間中、リーグ戦135試合に出場し16ゴール26アシストを記録し、チームの中心選手として活躍した。2023/24シーズンには徐々に出場機会が減少し、2024年8月、森岡はJ1ヴィッセル神戸への復帰を決断し、ポーランド時代からの約9年にわたる欧州での活動に区切りをつけた。
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