
天下無敵の空中戦
ハーランドと空中戦でまともに競り合ったらまず勝ち目がないため、相手選手は身体を当てたり、あの手この手で勝機を見出そうとする。ファウルになるかならないかのギリギリのチャージだが、その際に長身だとバランスを崩しやすい。しかし、ハーランドはボディバランスがすこぶる良く、簡単に崩れ落ちるようなことはまずない。
献身的な守備
前線からの守備のプレスも怠らない。大柄な選手は、スタミナがなくても許される場合がある。しかし、ハーランドは試合終盤になっても足が止まることはなく、息が切れて仕事をサボるようなことはまずない。飛び抜けた得点力がありながら、なおかつ守備でも大きく貢献しているのだ。

代表ではチャンスメーカー、シティではストライカー
ノルウェー代表でのハーランドには、ゴール前で相手に背を向けて、足元あるいは頭で落としてポストプレーによるアシスト、もしくは振り向きながら突破してシュートというシーンがよく見られる。また、スピードに乗ったドリブルで中央突破もみせる。
欧州の中堅国であるノルウェー代表では、ハーランドは独力で強引なプレーをする傾向がある。少々無理をしてでも、自分で行ったほうが得点機につながりやすいからだ。
一方で、ポゼッション戦術を真髄とするジョゼップ・グアルディオラ監督が率いるマンチェスター・シティでは趣が異なる。シティはビルドアップに長けタレントも揃っており、チャンスメイクは周囲の選手に任せられる状況にある。したがってハーランドは最高のお膳立てにより、比較的余裕がある状態でボールを受けてシュートを打てる。
シティのハーランドはポストプレーでチャンスメーカーになるより、ストライカーとして得点を狙うような動きが多い。
どちらにしても高い得点力を証明している。代表でもクラブでも概ね1試合で1得点かそれ以上を決めている。これは、驚異的な数字だ。20代のうちはこのプレースタイルを維持するに違いない。仮に年齢とともに走力が落ちても、長身とゴール前の駆け引きのセンスだけでも、チームにとっての存在価値は大きいものだ。
大きな怪我をせずに意欲を持ち続ければ、長い間トップレベルで活躍することが可能だろう。
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