イタリア1部のセリエAは12月20日~23日に2024/25シーズン第17節が行われ、アタランタはエンポリに3対2で勝利。怒涛の11連勝を達成し、2位ナポリとの勝ち点差2で首位をキープしている。昨2023/24シーズンにはUEFAヨーロッパリーグ(EL)を制し、欧州初タイトルを獲得。さらにここ数年はリーグでも上位でシーズンを終えるなど、近年の躍進には目を見張るものがある。
かつてはリーグで中位以下だったいわゆる“中堅クラブ”のアタランタが、なぜここまで躍進できたのか。ここでは、アタランタ躍進の要因や近年の戦い方、今後の対戦について紹介する。
ガスペリーニ監督の就任
アタランタBC(アタランタ・ベルガマスカ・カルチョ)は、イタリアのロンバルディア州ベルガモを本拠地とするサッカークラブで、学生ら5人によって1907年に設立。1900年代は1部リーグ(セリエA)で戦うも、1962/63シーズンのコッパ・イタリアを制した他は目立った成績はなく、常に中位から下位で2部(セリエB)や3部(セリエC)への降格も経験している。
2016年、そんなアタランタの監督に就任したのがパレルモ(現イタリア2部)やジェノア(現イタリア1部)などで指揮を執った経験を持つジャン・ピエロ・ガスペリーニ氏だ。3-4-3の攻撃的なサッカーを主軸とするガスペリーニ監督のサッカーはすぐにチームに浸透。就任1年目の2016/17シーズンはリーグ4位と、前シーズンの13位から大きく順位を上げた。
変則的な3バック
アタランタのシステムは、ガスペリーニ監督の代名詞とも言える3-4-3をベースとしている。マンマーク(1対1)での守備を基本とし、試合の流れの中で最終ラインからの攻撃参加やシステム変更など可変的な戦術はまさにアタランタの特徴と言えるだろう。状況に応じて3-4-2-1や3-4-1-2といったシステムを使い分け、中盤でのパスコースを遮断する。さらにはマンマークで相手アタッカー陣に隙を与えない戦術がチームにしっかりフィットしていることもアタランタの強さの秘訣の1つだろう。
さらに象徴的なのが圧倒的な攻撃力だ。今季加入したばかりのFWマテオ・レテギはここまで12得点の活躍で現在セリエA得点ランクトップタイ。FWアデモラ・ルックマンも今季ここまで9ゴールとしっかり結果を出している。
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