Jリーグ アビスパ福岡

鳥栖でパワハラの金明輝監督を批判せず…福岡サポ団体関係者「一番の問題は…」

金明輝監督 写真:Getty Images

 アビスパ福岡は12月13日、町田ゼルビアのヘッドコーチとして黒田剛監督を支えていた金明輝氏の招へいを公式発表。サガン鳥栖監督時代にパワーハラスメント(パワハラ)行為が認定された金氏の福岡監督就任を巡り批判が後を絶たないなか、福岡サポーター団体『ULTRA OBRI』(ウルトラオブリ)の関係者がクラブの決定に疑問を投げかけた。

 ウルトラオブリは11月5日の時点で、金氏の招へいに反対。福岡監督就任報道をうけて「クラブに対して慎重な判断を求めます」と声明を発表したほか、クラブのスローガンが「感動と勝ちにこだわる」であり、基本理念に「子ども達に夢と感動を地域に誇りと活力を」といった文言が含まれていることに触れた上で、「これからもクラブの根幹である理念を大事にし、アビスパ福岡を応援する全てのステークホルダーが胸を張って後押しができるクラブであって欲しいと切に願っています」と訴えていた。

 ファン・サポーターからも反対意見が相次ぐなか、クラブは元鳥栖指揮官である金氏の監督就任を発表。ウルトラオブリの関係者は14日深夜、Xでこう綴っている。

 「それぞれにそれぞれのアビスパがあるので、今回の決定に対して受け入れるサポーターもいれば、受け入れないサポーターもいるし、複雑な思いの人もいる。一番の問題は他の選択肢がある中でこれだけの賛否が分かれることを予想しなかったかは分からないけど、なぜその選択だったのか?」

 「クラブの責任は重い」という厳しい一言で締め括った当該関係者だが、金新監督に対する批判投稿は14日時点でなし。投稿には「その通り」「あれだけ、サポーターも声をあげたのにそれを無視するなんて…」「クラブに説明責任はある」「一度過ちをおかしたらもうダメだという考えはおかしい」といったコメントが寄せられている。

 金氏は2020年まで鳥栖の下部組織やトップチームを率いていたが、監督退任後に鳥栖下部組織でのパワハラ行為が認定。日本サッカー協会(JFA)の定める規則に違反したとして、指導者ライセンスでS級からA級への降格処分、JFAの定める研修、社会奉仕活動を科されている。

 なお金氏は福岡の監督就任にあたり、クラブ公式サイトを通じて「この度は、私の就任にあたり皆様をお騒がせしていることを大変申し訳なく思っております」と謝罪。一部のスポンサーからは新監督を後押しする声が挙がる一方、ファン・サポーターからの不満も多く見受けられている。