インターネット動画配信サービス『DAZN』は、2025年6,7月にアメリカで開催されるFIFAクラブワールドカップ2025(CWC)を、日本および全世界で全63試合独占無料配信。国際サッカー連盟(FIFA)と10億ドル(約1500億円)規模の放映権契約を結んだと報じられているが、その裏側を海外メディアが特集している。
米スポーツ専門サイト『ジ・アスレチック』は12月9日に「DAZNは10億ドルをどうやって支払うのか?」という見出しのもと、DAZN側の意図を分析。2022年度の決算で10億ドル規模の損失を出したものの、翌2023年の収益がおよそ32億ドルであることを伝えた上で、「この収益は、これまでDAZNが失った巨額の資金を補填するのには不十分。クラブW杯を通じて、アメリカをはじめ新興市場での台頭を期待している」などと綴っている。
またクラブW杯の投資額を回収する手段について、「試合中継のCM・広告、およびサッカーファンがリアルタイムでチャット可能な『FanZone』などがある」とリポート。「アメリカの広告市場は崩壊しておらず、DAZNはほとんどのアメリカ人に知られていない。DAZNの提供コンテンツはアメリカ人の需要にマッチする」と指摘している。
DAZNとFIFAの放映権契約を巡っては、フランスメディア『20ミニュッツ』が12月4日、FIFAとApple社による交渉決裂を伝えた上で、2034年のFIFAワールドカップ開催国になる可能性が高いサウジアラビアのサッカー関係者にFIFAが協力依頼した可能性を報道。その過程でDAZNによる全試合独占無料配信が決まったという。
なお日本国内では、3年連続となる月額料金の値上げやCMの増加、同時視聴制限を巡り、DAZNへの苦情が殺到。11月にFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選の日本代表戦(対インドネシア、中国)が無料配信された際には、出演者が左隅にワイプして出続ける「Fan Zone」の仕様に批判が相次いだ。浦和レッズの参戦により注目度が高まっているクラブW杯だが、同大会の配信でCMが増加する場合、契約者からのさらなる反発が予想される。
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