11月のFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選でインドネシア、中国と対戦する日本代表。7日に代表メンバー発表会見を控える中、森保一監督の采配などを巡る議論に対して、日本代表OBなどサッカー関係者から異論が湧き起こっている。
興國高校(大阪)監督時代にFW古橋亨梧(セルティック)らを輩出した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター)は、11月2日に自身のYouTubeチャンネルを更新。日本代表・浦和レッズOBである鈴木啓太氏との対談動画を公開している。
両者は「今後日本代表がさらに強くなるには」というテーマのもと議論しているが、その中で鈴木氏は森保ジャパンが欧州組中心のメンバー編成であることに触れた上で、「日本代表は活動期間が短いということで、戦術を合わせる時間も少ない。優秀な選手たちだから、ある程度そういう部分も合わせていくというのはあると思う」と、代表チームの現状について私見を述べる。
また2006年のドイツW杯後からしばらく日本代表でプレーしていた鈴木氏は、「イビチャ・オシム監督は(戦術を合わせる時間が短いことがあるから)国内組中心にチームを作る、そこにエクストラな選手を付け加えていたが、そうはいかないくらいトップレベルの選手たちが欧州にいる。だから監督のマネジメントがすごく難しい」と、自身が日本代表でプレーしていた頃と現在を比較。
DF冨安健洋(アーセナル)をはじめ一部の選手が実績十分な指揮官のもとでプレーしている現状を紹介した上で、「名将と呼ばれるような監督のもとでプレーしている。森保さん、大変だろうなと思うんですよ」と現監督を思いやると、内野氏も「僕もそう思う」と反応。「選手のレベルが上がっているので、マネジメントの部分が難しい。『一般の方々にあまりその難しさが伝わっていない』と、どうしても思ってしまう」と言葉を返した。
2022年のカタールW杯でスペイン、ドイツを下したほか、北中米W杯アジア最終予選では開幕から9連勝(北朝鮮戦の不戦勝含む)を飾った森保監督。2024年6月のミャンマー戦から3バックシステムを本格導入しているが、同監督の采配を巡り、今もなお一部から否定的な意見が挙がっている。
MF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF三笘薫(ブライトン)、MF伊東純也(スタッド・ランス)など、欧州5大リーグで活躍する選手を多く擁する森保ジャパン。指導者のレベル向上も求められる中、森保監督の置かれている立場について、より多くのファン・サポーターが理解を深めるべきかもしれない。
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