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元川崎F瀬古樹がイングランドデビュー!「タツキとの言葉は…」【現地取材】

ナルシス・ペラチ監督 写真:Getty Images

 英2部チャンピンシップの2024/25シーズン第6節が日本時間9月21日に行われ、MF瀬古樹が所属するストーク・シティはホームでハル・シティと対戦した。欧州移籍市場の最終日(8月30日)に川崎フロンターレから移籍した瀬古は、9月に入って公式戦2戦でベンチ入りしたものの、これまで出場していなかった。

 ストークは9月16日、今季リーグ戦の成績が2勝3敗だったスティーブン・シューマッカ監督を解任。試合前日にスペイン人指揮官ナルシス・ペラチ氏の任命を発表した。ペラチ氏は2023年に日本代表DF中山雄太(町田ゼルビア)が当時所属していたハダースフィールド・タウンで暫定監督を務めた経験がある。

 そんな新指揮官の初陣となったハルとのホーム戦だが、瀬古は前節に引き続きベンチスタート。ストークは積極的に前線からプレスをかけるもののうまく連動せず、ボールの奪いどころが得られない。ボールを保持しても2人目、3人目の動きに欠け繋がらず、バックパスや横パスが多くなってしまう試合展開に。

 しかし30分に獲得したコーナーキックからストークが先制し前半をリードして折り返すも、62分に与えたPKによりハルに同点とされる。77分には中盤でインターセプトされ相手MFにミドルシュートを決められ逆転。その2分後に相手MFが右サイドを突破し低いクロスを上げると、これが味方DFに当たってオウンゴールとなってしまう。

 2点ビハインドとなった場面の81分にストークは瀬古を投入。瀬古にとって記念すべきイングランドデビューとなった。瀬古は2ボランチの一角に入り、中盤からパスを積極的に供給するも得点に繋げられない。95分にはペナルティエリアの外からミドルシュートを放つもボールは枠の外に外れてしまう。

 結局ストークはゴールを奪えず、36歳若手指揮官の初戦を白星で飾ることはできなかった。試合後の記者会見でペラチ監督は「今日の試合はフェアな結果だった。最初の30分には満足しているがその後の質には落胆している。タツキ(瀬古)はプロフェッショナルで、自分で感じている以上にポテンシャルを持っている。彼は試合の流れをよく理解することができる選手だ。今日の試合でも私が表現したいことを少なからず表現してくれた。今後もっと良くなっていくだろう」と瀬古のプレーについて手応えを述べた。

 瀬古を途中投入した理由については「ボールを奪って攻撃に繋げろと指示をした。後半に入って守備に追われた結果チームに疲労が出た。タツキにはボールをしっかり奪い取り、保持するように伝えた」と意図を明らかにした。

 加入後、前監督からの信頼を勝ち取るまでに至らず環境面での適応が心配された瀬古だが、新監督曰く「彼はチームによく馴染んでいるよ。彼とも話したがあと数日か数週間もすれば問題なくなるだろう。タツキとの言葉は英語で良いコミュニケーションをとっているよ。スペイン語も少し話せるようだし、こちらの言うことを理解してくれている」とコミュニケーション面で不安はないと語った。

  瀬古投入後はボールの供給が改善されたことから、川崎仕込みのパススキルが今後ますますストークで披露されることが期待される。

名前:Shun Ide
趣味:サッカーのプレイと観戦、サカナクション、料理研究、犬の芸仕込み
好きなチーム:川崎フロンターレ、コヴェントリー・シティFC

イギリス在住。イングランドのフットボール情報を現地からお届けします。

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