Jリーグ 横浜F・マリノス

塩貝健人の横浜FM退団・ナイメヘン移籍で…特別指定選手制度にJクラブ関係者は…

塩貝健人 写真:Getty Images

 慶応義塾大学のU19日本代表FW塩貝健人は、横浜F・マリノスに特別指定選手登録されていたが、8月28日にオランダ1部NECナイメヘンへの加入が正式決定。日本代表FW小川航基、MF佐野航大とチームメイトになったが、一部で「横浜FMと契約解除」と報じられていただけに、Jリーグの特別指定選手制度を問題視する声が。Jクラブ関係者も同制度の契約内容に言及している。

 現在19歳の塩貝は、横浜FCの下部組織や国学院久我山高校を経て、慶応義塾大学へ。2024年1月に横浜FMの特別指定選手として登録され、同年4月10日のガンバ大阪戦でデビュー。その後もJ1リーグ6試合の出場で1ゴールを挙げていた。

 2027年シーズンからの横浜FM加入が内定していたものの、ナイメヘンと4年契約を結んだ塩貝。ネット上では同選手の海外挑戦を歓迎する声が挙がる一方で、「特別指定選手のシステム見直す必要がある」とJリーグに制度の改善を求めるファン・サポーターも。特別指定選手の年俸が発生しない点を問題視するコメントも見受けられる。

 そんななか、横浜FCのチームドクターである佐藤秀之氏は「Jリーグは特別指定選手制度が崩壊した事を理解しているのだろうか」「出場給すら払わない選手に何の保有権も拒否権もない」といったSNS投稿に反応。2019年に同クラブの特別指定選手としてプレーしていたMF松尾佑介(現浦和レッズ)に関する増田功作(横浜FC元コーチ、現徳島ヴォルティス監督)のコメントを交えながら、以下のように綴っている。

 「いつだか忘れたけど、『松尾が(特別指定になってから正式入団するまで)他に取られなくてほんと良かった』って功作さんが言っていたことがあって。たまにある大学生の『卒業する年から入団内定』というのはそれを防ぐ意味もあるんですかね。違約金とかも設定して」

 なおオランダリーグでは、EU圏外選手の最低年俸が40万ユーロ(約6460万円)に設定されているが、20歳未満の場合は半額の20万ユーロ(約3230万円)。現地メディア『Voetbal』によると、塩貝はナイメヘンで20万ユーロを受け取るという。