日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)所属の三菱重工浦和レッズレディースは4月25日、報道陣に向けチームトレーニングを公開。練習後には楠瀬直木監督をはじめとするコーチングスタッフ、及び各選手が囲み取材に応じた。
2023/24シーズンのWEリーグ全22節のうち17試合を消化し、首位に立っているレッズレディース。今回のメディアデー(公開練習)ではリーグ戦残り5試合にちなみ、「FINAL5 勝利を積み重ねてその先へ」というキャッチコピーが掲げられ、各選手がシーズン最終盤への意気込みや自身の伸び代などを語った。
ここでは、囲み取材に応じた同クラブMF遠藤優のコメントを紹介。そのうえで同選手の今季のプレイを解説していく。
「朱里は気の利くプレイヤー」
基本布陣[4-2-3-1]の右サイドバックとして先発出場を重ねている遠藤。持ち前の快足は今季も健在で、直近のリーグ戦ではMF栗島朱里(2ボランチの一角)との連係も良好だ。
遠藤は囲み取材で筆者の質問に答え、自身が栗島に助けられている現状を明かしてくれた。
ー3月3日の第8節INAC神戸レオネッサ戦から、栗島選手が先発出場するようになりました。栗島選手のプレイ(立ち位置)によって、遠藤選手が高い位置へ上がれるようになった気がします。ご自身の感触はいかがでしょうか。
「朱里はすごく気の利くプレイヤーで、空いているところに入ってくれます(立ってくれます)。私の特長を最大限に活かしてくれるボランチの選手ですね」
ー4月14日のノジマステラ神奈川相模原戦(第14節)終了後、栗島選手にお話を伺いました。それによると、栗島選手がセンターバックとサイドバックの間へ降りたときに、遠藤選手の立ち位置が低い場面があったそうですね。こうした問題があり、「裏を狙えるときは行く(相手最終ラインの背後を狙えそうなら高い位置をとる)」と遠藤選手が栗島選手に声をかけたそうですが?
「そうですね。その試合の前半は攻め込まれるシーンがありましたし、誰も裏を狙わない(相手最終ラインの背後へ走らない)場面もありました。『私が裏を狙うから』と栗島選手に声をかけてからは良い流れ(攻撃)を作れたので、試合中に修正できたのは良かったです」
栗島とのホットラインで得点も
栗島がDF石川璃音(センターバック)と右サイドバック遠藤の間へ降りてボールを受け取り、これと同時に遠藤が高い位置へ上がるというのが、レッズレディースの攻撃パターンのひとつとなっている。前述のINAC神戸戦における同点ゴールは、この立ち位置をとった栗島を起点とするパスワークから生まれたものだった(得点者はFW清家貴子)。
3月20日に行われたWEリーグ第11節マイナビ仙台レディース戦でも、栗島が石川と遠藤の間へ降りゴールの起点に。両チーム無得点で迎えた前半13分、栗島が石川と遠藤の間へ降りたことで、守備隊形[4-4-2]のマイナビ仙台FWカーラ・バウティスタ(左サイドハーフ)が釣り出される。これにより開いた相手サイドハーフとサイドバックの間で遠藤がフリーになり、ドリブルでチャンスメイク。遠藤のパスを受けた清家がペナルティエリア右隅から強烈なシュートを放ち、レッズレディースに先制点をもたらした。
このゴールで勢いづいたレッズレディースは、最終スコア2-0でマイナビ仙台を退けている。今後も栗島と遠藤のホットラインから目が離せない。
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