Jリーグ 鹿島アントラーズ

鹿島ピトゥカ“ゼロ円獲得”の裏で…サントスが川崎ダミアン関連で110億円支払い

ディエゴ・ピトゥカ 写真:Getty Images

 ブラジル1部サントスは、鹿島アントラーズ所属MFディエゴ・ピトゥカの来季加入を公式発表。今年夏の早期獲得も噂されていたが、鹿島と契約満了後に移籍金ゼロで獲得することになった。そのサントスが元所属選手であるFWレアンドロ・ダミアン(現川崎フロンターレ所属)の取引で巨額の資金を支払っていたようだ。

 ダミアンは2014年にブラジル1部SCインテルナシオナルからサントスへ完全移籍。しかしサントスでは本来のパフォーマンスを発揮できず、レアル・ベティスをはじめ複数クラブへレンタル移籍。2018シーズン終了後にサントスを退団し、川崎へ加入している。

 ブラジルメディア『グローボ』の報道によると、サントスはダミアンの契約関連で同選手の投資ファンドに対して総額3億8470万レアル(約110億円)を支払っていた模様。今月14日の審議評議会で提出された報告書に内容が記載されていたという。

 これによると、サントスは2015年に契約問題を巡る裁判で敗訴。選手サイドに巨額の資金を支払う羽目になったほか、記事内には「サントスの前経営陣は(敗訴により発生した)借金を減らそうと、他選手の経済的権利を侵害した」と綴られている。

 なおサントスは先月20日、クラブ公式ツイッターアカウントにて「ピトゥカは木曜日(20日)に我々と4年間の事前契約を結ぶ」と発表するとともに、鹿島に対して同選手の早期放出を要求。

 しかしブラジルメディア『UOL』の報道によると、鹿島は契約解除金満額の400万ドル(約5億8000万円)が支払われない限りシーズン途中での放出に応じず、サントスに契約解除金を支払う意思はなかった模様。サントスが今月はじめの追加選手登録期限までにピトゥカを迎え入れることはなかった。

 鹿島の契約解除金支払いに応じなかったサントス。ダミアンとの間に抱えていた問題が、現在の選手編成にも影響を与えている可能性はあるかもしれない。