7月14日に行われた国際親善試合MS&ADカップ2023で、パナマ女子代表に5-0で勝利したなでしこジャパン(サッカー日本女子代表)。20日に開幕が迫ったFIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会へ向け幸先の良い一歩となった。
日本が初優勝した2011年の女子W杯(ドイツ大会)以来、12年振り2度目の世界王者がかかっている今大会。なでしこジャパンを率いる池田太監督は、13日に開催された壮行会やパナマ戦後のインタビューで「優勝という大きな目標に向けて全身全霊で戦ってくる」「オーストラリア(決勝戦開催地)で戦えるように頑張っていきたい」と語っており、目標は明確だ。
しかし、目標達成のためには多くの壁が立ちはだかっているものまた事実。ここでは、12年ぶりの世界一を目指すなでしこジャパンの現状と強みについて検証しよう。
世界の女子サッカー事情、12年前との違い
12年前のドイツ大会でW杯初優勝を飾ったなでしこジャパンだが、FIFAランキング4位で挑んだ当時と今回では、やや事情が異なる。
近年、欧州を中心に女子サッカーに注力する国が増加。UEFA女子チャンピオンズリーグを筆頭に大きな盛り上がりをみせており、2022/23シーズンには1試合平均11,000人を超える観客が集まるなど、トーナメント終盤では男子サッカーにも一切引けを取らない人気だ。
2022年に開催された女子欧州選手権(女子EURO)の決勝戦(イングランド対ドイツ)には、実に8万7192人もの観客が集い、2021/22シーズンのUEFA女子チャンピオンズリーグ準決勝では女子サッカー史上最多となる9万1648人を記録した。
一方、日本では2021年に女子プロサッカーリーグ、WEリーグがスタートしたものの、2年目となる2022/23シーズンの1試合あたりの平均入場者数は1,401人。クラブによっては3桁に留まる試合もまだ多く、欧州スタジアムと比較すると「盛り上がりに欠ける」と言わざるを得ない状況だ。
現在のなでしこジャパンはFIFAランキング11位。まだプロ化していなかった12年前に比べて7ランクも下がっており、このままでは今大会の優勝はかなり厳しいように見受けられる。しかし、そんな状況の中で、日本もただ手をこまねいている訳ではない。
U-20女子W杯をはじめとした年代別代表では、2018年の優勝を含めて安定した成績を残している。若手選手が台頭しスタメン争いが激化すれば、今大会での優勝も決して夢物語ではないだろう。
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