白井康介(FC東京)
湘南ベルマーレ所属:2013-2015(途中期限付き移籍含む)
国内における今夏の移籍動向で、ここまで最も大きな主力級選手の移籍と言えば、7月4日に発表された京都サンガDF白井康介のFC東京への移籍ではないだろうか。昨2022シーズンに引き続き、今季も京都において不動の右サイドバックとして君臨していた白井。豊富な運動量を武器とした上下動と、正確無比なクロスでチームを支えていただけに、発表を見て目を疑ったJリーグファンも多いだろう。
湘南のファンやサポーターからは「移籍するなら帰ってきて欲しかった」という悲痛な叫びが聞こえて来そうだ。白井は2013年に湘南に加入後すぐに福島ユナイテッドへ期限付き移籍。2014年に復帰するも、2015年には愛媛FCへの期限付き移籍を経て翌2016年には完全移籍した。実質湘南でプレーした期間はわずかであり、リーグ戦の出場は1試合に留まっている。
しかし、今ではJリーグを代表するサイドバックに成長した白井。何より90分間チームのために攻守両面で走り続けられる能力は、まさしく湘南らしさを体現してくれる選手とも言えよう。それだけに、他クラブへの移籍の報は、苦しむ湘南サポーターにとって残念なニュースであったことは想像に難くない。
岩尾憲(浦和レッズ)
湘南ベルマーレ所属:2011-2015(途中期限付き移籍含む)
今夏湘南の中盤には、MF田中聡が期限付き移籍先のKVコルトレイク(ベルギー)から復帰した。パリ五輪を目指すU-22日本代表候補の1人でもあるだけに、どれほど成長を遂げているのか後半戦の活躍が楽しみな選手の1人だ。しかし、即戦力として思い浮かぶOB選手と言えば、浦和レッズで昨年ACLチャンピオンズリーグ優勝の立役者の1人にもなった、MF岩尾憲ではないだろうか。
今では文字通り浦和の中心選手として、攻撃のタクトを振るうゲームメーカーの岩尾だが、湘南時代も含めて長くJ2で戦った苦労人でもある。特に在籍期間の長かった徳島ヴォルティス(2016-2022)では、6シーズンほぼ全試合に出場して全シーズンでゴールとアシストを記録。2020年の徳島J2優勝の原動力にもなっていた。
現在の湘南では、岩尾の主戦場である中盤低めのポジションをMF永木亮太が多くの出場機会を得て務めている。永木がボール奪取やセットプレーのキッカーなど、多くの役割を果たしていることは確かだ。しかし前線で起点となっていた町野の海外移籍に伴い、ビルドアップや中盤での作りの部分は今まで以上のレベルを要求されるだろう。ゲームメーカーとして、J1でも抜きん出た能力を発揮している岩尾の帰還を求めるファンやサポーターが多くいても不思議はない。
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