埼玉栄高校は今月12日、サッカー部員による東日本大震災に関する不適切動画投稿をうけて公式ホームページに謝罪文を掲載。SNS上で同校や当該部員に対する批判がより一層強まる中、劇作家で演出家の鴻上尚史氏が謝罪文の内容に疑問を呈した。
問題となった動画では、埼玉栄高校サッカー部員が笑顔を浮かべながら「東日本大震災のこえを観てる方、生きていてとても嬉しいです。また死んでしまった人はお墓で聞こえないと思うが、ほんとに悔しいです」と発言。
この動画がSNS上で拡散されて炎上すると、埼玉栄高校は公式ホームページに以下のような謝罪文を掲載。再発防止にむけてネットリテラシー教育の見直しを行う考えを示している。
「この度は、本校生徒が大変不適切な動画をSNS上に掲載したことにより、多くの方々にご不快な思いをさせてしまいましたことを、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
「特に「平成23年東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災) 」にてお亡くなりになられた方々や、そのご遺族の方々、また、被災されました多くの方々や、その関係の方々のお気持ちを大きく害してしまいましたことを、重ねてお詫び申し上げますと共に謝罪申し上げます」
「本校では、これまでも毎年SNS教育を行い、ネットリテラシーについては生徒に何度も教育を施して参りましたが、今回の件を受けまして、まだまだ心の教育が生徒個々に行き渡っていなかったことを深く反省しますと共に、このような事態を防げなかったことに対し、大変悔しい思いをしております」
「今後は、このようなことが二度とおこらないように、当該生徒も含め、全校生徒に対してよりきめ細かな心の教育による道徳心の向上を図ると共に、ネット社会、特にSNSに対するリテラシー教育を更に充実させていく所存です」
「末尾に、改めまして、震災でお亡くなりになりました方々のご冥福をお祈り申し上げ、被災されました方々やその関係者の皆様にお見舞い申し上げますと共に、この度の動画により不快な思いをされました全ての方々にお詫びを申し上げ、重ねて謝罪を申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
しかし鴻上尚史氏は学校側の対応や謝罪文の内容を批判。13日の自身のツイッターアカウントにて「学校は謝る必要はないし学校に抗議するのもおかしい」と切り出すと、「『まだまだ心の教育が生徒個々に行き渡っていなかったことを深く反省します』というコメントを僕はとても怖いと思う」と投稿。
当該部員の憔悴を伝える報道内容を引用しているが、これには「さらにショックを与えられたのは被災した方々」、「東日本大震災をないがしろにするつもりか!」といった批判が噴出。
「ショックを受けて憔悴してれば許されるとでも?」、「ネットリテラシーが低すぎることが問題」という声も上がる一方、「確かに学校側が謝る必要はない」、「未成年なので100%親の責任」と責任の所在に関する意見も数多く寄せられている。
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