
前半15分にもムバッペ、ジルー、グリーズマンが中央のレーンやハーフスペースに立ちはだかり、これによりウォーカーが縦パスを繰り出せず。ヘンダーソンが右サイドでウォーカーからのパスを受け、ハーフスペースに立っていたサカにボールを渡そうとすると、これをラビオがインターセプト。そのままラビオが敵陣ペナルティエリアまでボールを運んだことで、速攻に繋がった。フランス代表の中央封鎖守備が機能していた場面と言えるだろう。
自陣後方でゆっくりパスを回しながら相手選手を誘い出し、この瞬間にワンタッチパスや中・長距離のパスを繰り出して速攻を成立させるのが得意なイングランド代表だが、フランス代表があまりハイプレスを仕掛けなかったため、目論見通りの展開とはならず。闇雲なプレッシングを避け、中央のレーンやハーフスペースの封鎖、及び相手のパスワークをサイドに追いやることを徹底したレ・ブルーの作戦勝ちだった。

W杯連覇に向けてフランス代表が今後突き詰めるべきは、敵陣でのボールロスト時に素早く前述の守備隊形を整えることだろう。
イングランド代表が1度目のPKを獲得する直前、フランス代表は敵陣でボールを失っているが、ここではジルーの帰陣やムバッペによる左のハーフスペースの封鎖が遅れている。これによりイングランド代表のセンターバック、ジョン・ストーンズによるボール運搬を許し、最終的に右サイドのサカにボールが渡ってしまった。相手のビルドアップを停滞させるための守備は確立されているだけに、攻守の切り替えの遅れを無くせば、トロフィーに手が届くはずだ。
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