
「勝ちにいく」の意味に変化
過去のW杯においても、日本は強豪に対して勇敢に戦ってきた。試合前には選手から「勝ちにいく」という発言が出て、実際スコアにおいて僅差であったことも少なくない。1998年フランスW杯ではアルゼンチンに0-1、2010年南アフリカW杯ではオランダに0-1、2018年ロシアW杯ではベルギーに2-3。いずれも1点差だが、ただしいずれも敗れている。
今回も同様に「勝ちにいく」という発言があったうえで、実際にドイツ、スペインに対して勝利した。1試合であれば1996年アトランタオリンピックでブラジルに勝利した「マイアミの奇跡」のような奇跡も起こり得るが、2試合となると奇跡ではない。成長に加えて「勝ちにいく」の意味合いが、過去のものとは異なっていたのだろう。
以前の日本は多くのメンバーがJリーグでプレーする国内組で、頻繁に戦う機会のあるアジアの国を除き、力量の差をは正確に把握できていなかった。未知なものに対して勇気を持って挑むという「勝ちにいく」だった。しかし、現在は多くが欧州でプレーしており、各国の代表選手と日常的に対戦している。相手の技量を把握したうえで、自分が積んできた経験から自信を持って発する「勝ちにいく」へと変化しているように感じられる。

谷口が示したJリーグの成長も
もちろんJリーグ全体の成長も、日本の強化に大いに貢献している。スペイン戦では、川崎フロンターレでプレーする谷口彰悟がW杯デビュー戦を迎えた。普通ならば固くなってもおかしくないが、前半から安定した守備を見せるとともにボール奪取から縦パスを入れるなど、普段Jリーグでみせているようなプレーを披露。金星に貢献してみせた。
近年のJリーグは急激に強度が増しており、現在の海外組もJリーグで成長してから欧州に羽ばたいた選手ばかり。3部リーグ制となり昇降格があることで、選手数が増えかつ競争意識を高めることに成功している。

クロアチア戦の難しさ
史上初のW杯ベスト8以上を達成するには、日本は次戦でクロアチアに勝たねばならない。
クロアチアはルカ・モドリッチを筆頭に中盤の構成力が非常に高く、経験値や総合力ならば日本より上だ。また、守備のバランスが良く、グループリーグでは3試合で1失点と堅守を誇る。ドイツやスペインのようなネームバリューはないが、献身性もプレーの強度も高く、スピードをいかした速攻以外の攻め手を欠く日本としては戦いにくい相手だろう。
ただしクロアチアはグループリーグ3試合をほぼ同じスタメンで戦っており、前半を同点以上で終えれば、日本は多彩な控えメンバーを駆使できる。勝機は十分。どちらが先手を取るかが、勝敗に大きな影響を与えることだろう。難敵を退け、日本代表が初のベスト8を達成することを強く願っている。
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