元日本代表MF香川真司(33)らを擁するシント=トロイデンVV(STVV)は、インターネット関連の事業を手掛ける合同会社『DMM.com』の村中悠介COO(最高執行責任者)や立石敬之CEO(最高経営責任者)らの手で経営されている。そんなSTVVはプレーオフ進出を逃した今シーズンを終えたが、現地記者が移籍市場における日本人経営者の動きを予想した。11日、オランダメディア『VOETBAL』が伝えている。
『DMM.com』は2017年11月にSTVVの経営権を取得。村中悠介氏や立石敬之氏らの主導により、STVVは日本代表MF遠藤航(28)やDF冨安健洋(23)、元日本代表MF香川真司(32)などこれまで数多くの日本人選手を獲得。現在は香川真司や東京五輪日本代表FW林大地(24)など6名の日本人選手が在籍している。
ただ、STVVの日本人経営者に対しては現地のサポーターやジャーナリストから批判的な見方をされている。昨年9月開催のKRCヘンク戦ではダービーマッチにかかわらずホームスタジアムの観客数が約6000人にとどまり、現地のジャーナリストが「クラブのDNAが危機に瀕している。シント・トロイデンはサッカーの街だったが、もう多くの人がスタジアムの試合を観に来なくなった。彼らはクラブから離れているのさ。クラブ幹部はサポーターのことを真剣に考えるべきだと思う。サポーターを敵に回したんだ。そのようなクラブはうまくいかないよ」と危機感を募らせていた。
さらに今年1月末のリーグ戦後にSTVVの一部選手やコーチとサポーターが衝突した際、サポーターはクラブ内部で起こっている問題に日本人幹部が関心を示さないとして怒りをあらわにしていた。
『VOETBAL』の報道によると、STVVの日本人幹部は経営権取得当初、「3年以内でのプレーオフ進出」を目標に掲げていたとのこと。今季は香川真司がチームに合流して以降、リーグ戦9試合で7勝2分と猛追。今月10日開催のジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)最終節でも勝利し、KRCヘンクに勝ち点51で並んだものの、来季UEFAヨーロッパリーグ予選出場権をかけたプレーオフ進出をかけたプレーオフへの進出を逃した。
シーズン後半戦に見せたSTVVの快進撃について、現地ジャーナリストは「ベルント・ホラーバッハ監督は日本人、ドイツ人、ベルギー人の集まりを結束の固いチームへと変えたんだ。その監督の手腕にファンは期待を寄せている。STVVのサポーターはプレーオフ進出ではなく、チームが不屈の精神でトロフィーを獲得することを望んでいる」と語るなど、チームにリーグ優勝争いを求めている。
ただ、来季に向けてのチーム編成については「好成績を収めた後、このチームを維持するのは難しいだろう。日本人は儲かれば売るのが好きだからね」と日本人経営者の予想される動きに対して否定的なコメントを残した。
なお、STVV所属選手の去就については香川真司の残留がほぼ確実である一方、デポルティーボ・アラベスからレンタルにより加入しているFW原大智(22)に退団の可能性があると伝えられている。
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