リバプールの今シーズンは華やかなものだった。強力な3トップだけでなく今シーズンは守備面で堅実性が伴い、14シーズンぶりにチャンピオンズリーグを制覇することができた。プレミアリーグでは勝ち点97を獲得したものの2位と悔しい思いをしたが、実はこの勝ち点ならプレミアリーグ以外だったらどのリーグでも優勝しているとのこと。史上最強の2位だったと言えるだろう。そんな今シーズンのリバプールを物語る3試合をご紹介したい。
【プレミアリーグ20節 アーセナル戦(H) 5-1○】
ロベルト・フィルミーノがリバプールにとって重要人物であると感じさせられた試合。フィルミーノはこの試合常に相手の守備でスペースを見つけて侵入を繰り返し、ボールを保持したときに常にベストな選択をしてリバプールの攻撃を円滑に施した。極めつけは16分のゴールだ。中央からドリブルでゴールに迫ったフィルミーノが次々とアーセナルディフェンスのプレッシャーをいとも簡単にかわし自らゴールネットを揺らした。
【チャンピオンズリーグラウンド準決勝 バルセロナ戦(H) 4-0○】
2シーズン連続の決勝進出をかけて挑んだバルセロナ戦でリバプールの強さを改めて知らされることになる。カンプ・ノウで行われた1stレグでは拮抗した試合内容にもかかわらずメッシの芸術的なFKもあってバルセロナに3失点を喫し、決勝進出には4得点が最低条件。更にフィルミーノの不在、サラーが直前のニューカッスル戦で負傷退場するなど、彼ら抜きでバルセロナ相手に大量得点しなければならないというシナリオだった。
しかしそれでもリバプールは強かった。この試合前線で起用されたディボック・オリジが2ゴール、ジェルダン・シャチリが1アシストと彼らなりの持ち味でやるべき仕事を果たし決勝進出へ駒を進めた原動力となった。また後半から投入されたジョルジニオ・ワイナルドゥムやその関係で左サイドバックにポジションを変えたジェイムズ・ミルナーの働きも評価されるべきポイントである。
試合終了後に写ったモハメド・サラーの「Never Give Up」とプリントされたTシャツはまさにこの試合を叙述するに相応しい言葉だった。
【チャンピオンズリーグラウンド決勝 トッテナム戦(N) 0-2○】
攻守において集中したリバプールが総合値でトッテナムを上回った試合。開始直後にシソコのハンドによって思わぬ形でPKから得点をしたリバプールだが、そこからのトッテナムの攻撃を幾度となく退けて勝利した。
ピッチに立ったすべてのリバプールの選手が評価されるべきなのだが、特に中盤に3人の献身的なプレー素晴らしいと感じずにはいられない。ファビーニョ、ワイナルドゥム、ヘンダーソンのカバーリングする動きはリバプールのディフェンスラインのほころびを解消し、トッテナムに決定的な仕事をさせないまま試合を終わらせた。
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