Jリーグ 北海道コンサドーレ札幌

都倉賢、北海道コンサドーレ札幌に対する愛着とプロ選手としての決断の難しさ語る

 北海道コンサドーレ札幌は20日、FW都倉賢がセレッソ大阪に完全移籍で加入することを公式発表した。その都倉は北海道コンサドーレ札幌公式サイトを通じてクラブに対して並々ならぬ感謝の思いとプロ選手としての決断の難しさを語っている。

 同選手は最初に「自分の気持ちを伝える場所を探したのですが、今の自分にはここしかないので少し長くなります。まず、5年間本当にありがとうございました。5年前の自分からは想像も出来ない未来がコンサドーレにありました」とJ1リーグ昇格から今季の大躍進までに至るクラブの成長とともに自身も充実したシーズンを過ごすことができたという考えを示す。

 都倉はヴィッセル神戸を2013年シーズンで契約満了に伴い退団した後、海外挑戦を果たすべくデンマーク1部のベストシェランでトライアウトを受けたものの、契約には至らず。フリーの身で帰国した中、コンサドーレ札幌から声がかかり加入すると、加入1年目から主力としてチームを支えてきた。

 その自身のプロキャリアを繋いでくれたことについて「海外挑戦に失敗して失意のどん底の中、帰国した時に空港まで駆けつけ契約をしてくれた三上さん(GM)、コンサドーレでの1年目が終わり他チームからオファーが届き気持ちが揺れていた時に、チームとして成功体験する価値の重要性を説いて慰留してくれた野々村さんがいたからこそ今があります。一緒に目標達成の為に頑張ってきたチームメイトがいたからこそ、チームとしても個人としても成長出来ました」とクラブ首脳陣やチームメイトに対する感謝に意を述べる。

 またホームの札幌ドームで常に後押しをしてくれたサポーターに対しても「どんな時でも寄り添い戦ってくれたコンサドーレサポーターには、沢山の愛とエネルギーをいただき、僕らが持っている以上の力を引き出してもらいました。アウェー戦でも本当に多くの赤黒サポーターの姿があることが何よりも嬉しくて、誇りでした。本当に感謝しています」と語っている。

 そして北海道コンサドーレ札幌での出来事について「振り返ってみると、自分にとっては2014シーズンのホーム松本戦での初ゴールから全てが始まりました。2016シーズンではJ2優勝を占うフクアリで、あの時のウッチーのゴールはいつ思い出しても鳥肌が立ちます」
 
 「2017シーズン、みんなでもがき這いつくばって果たした残留。チーム最高順位の4位で終えた2018シーズン。そんな全ての経験が僕を育ててくれました。このチームで、この経験をできたことは間違いなく一生の宝物です」と振り返っている。

 ただ、都倉はそんな充実したキャリアを過ごしていた北海道コンサドーレ札幌からセレッソ大阪に移籍している。

 その背景として「今回の移籍に関しては、決断でした。僕は来年33歳になります。未来を約束することが年々難しくなる中で、僕を信じ挑戦させてくれる評価でした。自分の人生について考えに考えて、挑戦したいと思いました」とベテランの域に近づく30歳代にとって、様々な物事を考慮し断腸の思いで決断したことを明かしている。

 そして最後に北海道コンサドーレ札幌のファンに対して次のようにメッセージを残した。

 「札幌に成長させてもらい、この土地そのものが好きになり、家も買い、初めての子育てを経験した場所を離れる事は本当に辛いですが、自分の決断に悔いが残らないように、これからの自分が行動で示していけるようにしていきます」

 「北海道が、これからも自分と家族にとって、大好きな場所であることには変わりありません。決めたからには全力で頑張りますが、「さよなら」ではなく「いってきます!」そんな言葉で終わりたいと思います。本当にありがとうございました」