J1参入プレーオフに回る「16位」の座を避けるべく、5クラブによる熾烈(しれつ)な残留争いが最終節で決着を迎える。今季は大型連勝・連敗するクラブが多かったこともあり、J1残留確定ラインが「40」を上回っており、これは過去5シーズンとの比較で最も高いレベルにある。最終節を前にもう一度各クラブの残留確定条件を振り返っておく。
12位:横浜F・マリノス(勝ち点41)
最終節対戦相手:セレッソ大阪(H)
J1残留条件
1、引き分け以上で自力残留
2、敗戦の場合は、
・名古屋グランパス対湘南ベルマーレが引き分け以外
・サガン鳥栖が敗戦
・上記の2条件に該当しない場合は、勝ち点「41」で並んだチームで得失点差比較
11月の代表ウィークで初めて日本代表に選出され、キルギス戦で電光石火の先制弾を決めた山中亮輔の離脱によりサイドバックのポジションが厳しい状況となっている横浜F・マリノスではあるが、対戦相手が中位ですでに来季AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得の可能性が消滅しているセレッソ大阪であることが救いであるかもしれない。また仮にこの一戦で敗れたとしても残留争いのライバルクラブと異なり得失点差がプラスであることは大きな強みだ。よほどの大量失点を喫して敗れない限りは残留は濃厚と考えて良いだろう。
13位:ジュビロ磐田(勝ち点41)
最終節対戦相手:川崎フロンターレ(A)
J1残留条件
1、引き分け以上で自力残留
2、敗戦の場合は、
・名古屋グランパス対湘南ベルマーレが引き分け以外
・サガン鳥栖が敗戦
・横浜F・マリノスが敗れ、かつ横浜F・マリノスを得失点差で上回る
前節の北海道コンサドーレ札幌戦では後半に一気に攻勢に出たものの、追加点に屈し2失点の完敗を喫した。勝ち点で湘南ベルマーレ、サガン鳥栖、名古屋グランパスを1上回っているとはいえ、最終節で敗れた場合の残留の可能性が低いだけに厳しい戦いになるだろう。そしてその最終節の対戦相手はJ1連覇を果たした川崎フロンターレだ。FW小林悠とMF大島僚太を欠くとはいえ、地力で上回る相手に対してどのように対峙するのだろうか。
14位:湘南ベルマーレ(勝ち点40)
最終節対戦相手:名古屋グランパス(A)
J1残留条件
1、引き分け以上で自力残留
2、敗戦の場合は、
・サガン鳥栖が敗れた場合、サガン鳥栖との得失点差比較
今季のルヴァンカップ覇者である湘南ベルマーレは残留争いのライバルである名古屋グランパスとの直接対決に臨む。ただ前節終了時に名古屋グランパスの得失点差を上回っているため、もし仮にこの一戦を引き分けで終えても残留が確定する。ただ敗れた場合は鳥栖が引き分け以上で終えた場合に自動的にJ1参入プレーオフへの出場が決定する。試合展開次第ではドロー狙いに持ち込むかもしれないが、曺貴裁監督の決断は…?
15位:サガン鳥栖(勝ち点40)
最終節対戦相手:鹿島アントラーズ(A)
J1残留条件
1、引き分け以上で自力残留
2、敗戦の場合は、
・名古屋グランパス対湘南ベルマーレの敗戦チームとの得失点差比較
マッシモ・フィッカデンティから金明輝への指揮官交代後、リーグ戦で3勝1分と一気に状態を上げてきたサガン鳥栖は挑戦者の立場としてアジア王者・鹿島アントラーズとの一戦に臨む。フェルナンド・トーレスは加入以降、周囲の期待とは裏腹にネットを揺らすことが少なかったものの、前節の横浜F・マリノスではチームにとって貴重な一発を披露している。GK権田修一を中心とした堅守でアントラーズの猛攻を凌ぎ、トーレスが貴重なゴールをあげるという青写真を描いているファンは多いことだろう。
16位:名古屋グランパス(勝ち点40)
最終節対戦相手:湘南ベルマーレ(H)
J1残留条件
1、勝利で自力残留
2、引き分けの場合は、
・サガン鳥栖が敗戦
・サガン鳥栖が引き分け以上の場合はジュビロ磐田と横浜F・マリノスの結果次第
3、敗戦の場合は、
・サガン鳥栖が敗れた場合のみ、サガン鳥栖との得失点差比較
湘南ベルマーレと異なり、自力残留へは勝利が絶対条件となる名古屋グランパスであるが、仮に引き分けに終わり、かつジュビロ磐田が敗れた場合は得失点差を考慮し残留が決定する。直接対決で敗れた場合は、サガン鳥栖が敗れない限りはJ1参入プレーオフに回ることが決定する。
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