セリエA ミラン

DR.TRIBE【試合診断書】セリエA第11節 ウディネーゼ対ミラン

大会:セリエA
カード:ウディネーゼvsミラン
スコア:0-1
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):アレッシオ・ロマニョーリ

チームを救う2試合連続の劇的弾で勝ち点3の奪取に大きく貢献。頼りないクリスティアン・サパタに対して、粘り強いディフェンスでクリーンシートにも貢献している。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ディエゴ・ラクサール

豊富な運動量で幅広いエリアをカバー。ネガティブトランジションも早く、奪われてからの再回収は目立った。

モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):ブラム・ナイティンク

判定に疑問は残るものの、CB本職の自身があの時間帯に投入された意味をしっかりと考えるべきだった。全体として采配とプレーの矛盾があったことは事実だが、退場したという事実は重い。ただ、ボールを奪われたニコラス・オポクの過失も非常に大きい。


ウディネーゼ攻撃対ミランの守備

基本はワイドを活かしながら、サイドで数的優位を作りながら攻撃を組み立てたウディネーゼ。ミランは4-4-2の守備ブロックを形成したものの、2ライン間に広大なスペースができたことで斜めに入る楔のボールや、インサイドハーフに中盤がはがされた際の局面に大きな不安定さを抱えた。

積極的にミドルシュートを狙っていったウディネーゼだが、2ライン間のスペースはもっと効果的に使うべきだっただろう。それでも、攻撃の仕方的にどうしても戻りが遅れてしまうイニャツィオ・アバーテやスソの空けたスペースは効果的に使えた。ミランとしては4-4-2の際の構造的な弱点を見直す必要があるだろう。

終盤にブラム・ナイティンクを投入したウディネーゼはもう少しセーフティに試合尾進めるべきだったかもしれない。インテンシティの高い試合の中で、オープンな展開に飲み込まれた感は否めない。


ミランの攻撃対ウディネーゼの守備

左サイドからの組み立てをメインに、FWへの楔のボール、特にイグアインがかなり低い位置まで下りてきてボールを受ける形からの攻撃が目立ったミラン。ウディネーゼはミランの2ボランチをけん制しながら、受ける回数が増えてきたイグアインへの予防的なマークを実行。ウディネーゼがミランを押し込むことのできた1つの要因となった。

イグアインの負傷というアクシデントもあり、前半の内にサム・カスティジェホを投入したミラン。システム面での大きな変化はなかったが、4-3-3の時のような連携が左サイドで生まれた。

後半はカスティジェホがスソとポジションを入れ替える時間が増え、スソが縦のパスを引き出す形に。ウディネーゼとしては、待ち構えた際にはゾーンでマーカーを決めていたため、大きなエラーは生まれなかった。

終盤にCBが本職のナイティンクを投入し、勝ち点1を取りに来たウディネーゼだが、まさかの退場という誤算。ミランの前線ではファビオ・ボリーニもポジションを流動的にしていたため中央を閉める意識はあったが、タイトさに欠けた。劇的な決勝点はオープンな展開に付き合ったツケが回った。結果論にはなるが1人少ないという意識が強ければ、中盤より前の数を
1枚減らし、ビルドアップの人数を増やすという決断もできただろう。


ウディネーゼ監督:フリオ・ベラスケス

狙いとするワイドに展開してからの攻撃はある程度機能し、おそらくサパタのところを狙った仕掛けも悪くなかった。高い位置でのネガティブトランジションも機能していたが、前線と2列目以降で意識の差は持っておくべきだったかもしれない。ナイティンクの投入は勝ち点1で良いというメッセージが強かったが、選手をコントロールすることができなかった。


ミラン監督:ジェンナーロ・ガットゥーゾ

今シーズン初のクリーンシートを達成したものの、4-4-2には依然としてディフェンス面での不安定さが残る。2ボランチが前に出かけたところのケアや、攻撃のオーガナイズで生まれる穴をどう修正していくかが今後のカギになるだろう。ただ、多くの負傷者がいるなかで形はどうあれ勝ち点3を手にしたことは大きい。


主審:マルコ・ディ・ベッロ

多くの疑問が残るレフェリングになった。14分のスソのシュートはゴールキックという判定だったが、明らかにディフェンダーに当たっていた。ファウルの基準もブレており、64分のプレーにはPKが与えられるべきだっただろう。ナイティンクへのレッドカードも疑問が残る。決定機の阻止には見えないし、可能性があるとすれば悪質または危険なタックル。レッドカードが試合の流れを大きく変えたことは事実だ。




名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

筆者記事一覧