日本時間22日に行われた、今シーズン最初のミラノダービー。両クラブが質と情熱を兼ね備えた、レベルの高いゲームとなった。インテルがやや優勢を保ちながらも、拮抗した試合展開は高い緊張感を与えた。インテルのエース、マウロ・イカルディのアディショナルタイムのゴールにより、インテルが勝利したこの試合。今回は、ミランが敗北した5つの理由をご紹介する。
戦術的な幅の狭さ
両チームがつなぐ意識をもって挑んだこの試合。ジェンナーロ・ガットゥーゾはインテルのハイプレスに対して、しっかりとつなぐことを重視し、1列飛ばしたパスやロングボールという選択肢を選ぶことはほとんどなかった。対するインテルはミランのプレスに対して、ロングボールをあらかじめ選択肢に入れながらプレー。ミランのプレスを上手に回避した。
また、インテルはルーカス・ビリアの両脇のスペースの攻略を徹底。戦術的にそのスペースが空くことはしょうがないが、最後までミランにはこれといった具体的な対策はなかった。
ストライカーの出来の差
両チームのストライカー、ゴンサロ・イグアインとマウロ・イカルディには大きな差があったと言えるだろう。インテルのプレスに苦しみ、思うようにイグアインにボールを渡せないミラン。イグアインも試合中にイライラを募らせていた。
対するイカルディは基本的なストライカーの動きを高いレベルで実現。味方にスペースを与えながら、ディフェンダーのマークを曖昧にし、ミランのゴールを脅かし続けた。
ドンナルンマの致命的なミス
試合を通して高い集中力を保ち、好セーブも披露したジャンルイジ・ドンナルンマ。しかし、失点のシーンは完全に気が抜けており、クロスに対して簡単に食いついてしまった。目測を誤ったのか、イカルディの動き出しにつられたのかはわからないがゴールを許すには簡単すぎるプレーだった。
交代策の差
74分にパトリック・クトローネ、84分にティエムエ・バカヨコを投入したガットゥーゾ。しかし、交代策はちぐはぐだったと言えるだろう。クトローネを投入したのにもかかわらず、左サイドで組み立てる回数が多く、クトローネがクロスを上げる場面も。これでは彼を投入した意味がない。また、バカヨコとケシエを後退させたことも、右サイドで攻撃を作りにくくする一因となってしまった。対するスパレッティは、交代で入れたケイタ・バルデやアントニオ・カンドレーバの特性を活かすように選手を配置。特にケイタのスピードはミランにとって厄介なものとなった。
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