大会:プレミアリーグ
カード:マンチェスター・ユナイテッド対ニューカッスル
スコア:3-2
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審
マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):アレクシス・サンチェス
この試合の価値は「勝ち点3」に凝縮される。後半67分に投入されると、90分に勝ち越しゴールを奪った。
ザ・ハード・ワーカー(THW):ジョンジョ・シェルベイ
試合終盤は息切れしたが、最終ラインの前のフィルターとして機能。ボール奪取後、長短のパスで決定的な場面を演出し、時間を作るプレーを見せた。
モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):ネマニャ・マティッチ
中盤3枚のバランスが極端に悪い。簡単に背後を取られて1失点目ではコミュニケーション不足が露呈。個人の技術的ミスも多かった。
マンチェスター・Uの攻撃vsニューカッスルの守備
マンチェスター・U:試合序盤はオーソドックスな4-3-3を採用。選手の個人能力を活かすため、1対1の局面をサイドで創出。両ウイングは幅を広く取り、ルカクがサイドに流れてボールを引き出す場面も多く見られた。
試合開始10分で2失点を喫したため、バイリーに代えてマタを投入。攻撃姿勢を強めた。
大外のレーンにSBとWGを配置することでサイドの圧力を強め、中央の高さを活かすクロス、カットインで狙い通りチャンスを作っている。しかし、決定機を作るも前半は結局決めきれなかった。
後半に入ってフェライニを投入。相手陣内に押し込んだため、陣形は2-4-4とも呼べる超攻撃的な布陣となった。ただ、両サイドにはボールが入るものの、中央への楔が入らなかったため、相手守備陣のギャップが生まれず単調な攻撃に終始した。
そこでモウリーニョは最後のカードとして、サイドに張り付いていたラッシュフォードに代えてサンチェスを投入。選手間の距離が開き始めていたニューカッスル守備陣の間でボールを受けることで中央のマークのズレを作ることに成功。後半70分から怒涛の攻撃で3得点を奪取。劇的な逆転勝利を掴み取った。
ニューカッスル:守備ブロックは綺麗な4-4-2が構築されていた。前半はコンパクトな陣形を保ち、前線2枚(武藤とペレス)もボール保持者に対しての適切な距離を保った。
攻から守の切り替えは迅速に行われ、武藤はペレスと並んでプレスのスイッチを入れる効果的なプレーを見せている。
よく耐え忍んでいたが、後半に入ると疲労の色が見え始める。アップダウン、スライドを繰り返していたボランチが疲弊。ボール保持者へのアプローチが遅くなると、DFラインが後退。全体の陣形をコンパクトに保つことが難しくなり、相手の高さと個人技を活かされる展開へと持ち込まれてしまった。
ニューカッスルの攻撃vsマンチェスター・Uの守備
ニューカッスル:試合序盤に2得点を奪取。守から攻への切り替えが迅速に行われ、手数をかけずに攻め切る攻撃が相手の脅威となった。
マティッチの背後と両脇のスペースは広大に空いており、スモーリングとバイリーもカバーできる能力はない。その隙を突いたケネディと武藤の決定力は賞賛に値する。
2得点後は、相手が攻勢を強めたため守勢に回った。ボールポゼッションを放棄すれば、残り80分間を凌ぐことは難しい。マンチェスター・Uは連動したプレスをかける余裕はなかったはずであり、自分たちがゲームを支配する時間帯をもう少し増やせていれば、終盤の猛攻も耐え凌ただろう。
マンチェスター・U:中盤3枚の攻から守への切り替えが悪く、簡単にアンカーの背後と両脇を使われて失点を喫した。
1失点目はマティッチのポジショニングミスでもあるが、後方からの指示、コミュニケーション不足の問題でもある。2失点目はヤングが個で負けたことも原因だが、マクトミネイがエリアのカバーを選択した判断ミスも要因だ。
中盤3枚のバランスとDFラインの個人能力、どちらかを高めなければ失点を繰り返すだろう。
マンチェスター・ユナイテッド監督:ジョゼ・モウリーニョ
この試合の結果次第で解任が決まるとも報じられる中、試合序盤に2失点。絶体絶命の状況から執念の采配でチームを逆転勝利に導いた。中盤の最適解は未だ見つからず頭を悩ませているだろう。
ニューカッスル・ユナイテッド監督:ラファエル・ベニテス
マンチェスター・ユナイテッド相手に健闘したが屈辱の逆転負け。中盤が疲弊した際に交代カードが不足している。冬の移籍市場で選手を補強したい。
主審:アントニー・テイラー
ペナルティエリア内で40分のアシュリー・ヤングのハンド、46分武藤のハンドを見逃したが、両チーム帳尻を合わせた形となった。他は無難に試合をさばいている。
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