優勝争いの主導権を握った川崎
一方の広島は、残留争いをしているガンバ大阪に敗戦。近々3試合で勝ち点1しかあげられていない。ディフェンスはセットプレーから失点を喫し、オフェンスはチャンスを作れずにいる。城福浩監督は決して充実したロースターではない中で、アイデアを使い切ってしまったようにも見える。広島が前半戦最高のチームだったとすれば、状況は変化している。広島と川崎の勝ち点獲得率を比較すると、両者のここまでの状況が見えてくるだろう。
前半戦の勝ち点獲得率
広島:41ポイント(80.4%)
川崎:33ポイント(64.7%)
後半戦の勝ち点獲得率
広島:15ポイント(45.5%)
川崎:23ポイント(69.7%)
今シーズン全体の勝ち点獲得率
広島川崎ともに56ポイント(66.7%)
広島は14節を終えた時点で川崎とは13ポイント差をつけており、前半戦終了時も8ポイント差を持っていた。たった3節前時点での勝ち点差は9ポイントもあった。しかし現在は順位が逆転している。
昨シーズンの28節終了時点で、川崎は今季と同じ56ポイントを獲得していた。そして最後の6試合を5勝1分けのほぼパーフェクトな結果で終え、鹿島アントラーズを僅差でかわしてチャンピオンに輝いた。
現在、彼らは最高のサッカーを展開し、充実したロースターを持ち、広島よりも攻守両面でわずかに上回っている、リーグで最も優れたチームだ。チーム状態も広島より良く、タイトル争いは彼らが主導権を握っている。
著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB
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