大会:ラ・リーガ
カード:ジローナvsレアル・ベティス
スコア:0-1
担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS )
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審
マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):フランシス・ゲレーロ
決勝点をアシスト。右サイドで幅を作るだけでなく、ブデブズやカナレスとポジションを入れ替えながら中央にも入って行って、相手の守備にズレを生じさせた。守備でも重要なブロックあり。
ザ・ハード・ワーカー(THW):ドウグラス・ルイス
ジローナの中盤で存在感を発揮したマンチェスター・シティの有望株。チキ・ベギリスタインが見守る中で、中央のゾーンに蓋をし、攻めては安定したパス供給と機を見た攻め上がりからのシュートで、ベティスを脅かした。
モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):乾貴士
ベティスに加入してからというもの、左のハーフスペースで相手ゴールに背を向けてボールを受けることが多く、後ろから強いアプローチが来るとボールを失ってしまう。味方とビジョンが共有できているとは言えず、必要以上に動いている感は否めない。この試合では、見せ場は作れなかった。
ジローナの攻撃vsベティスの守備
ジローナ:攻撃の際は、10番のボルハガルシアが少し位置を下げて3-1-4-2に近いオーガナイズで組み立てる。右のハーフスペースで高い位置をとる9番のポルトゥと中央でボールを待ち構える7番のストゥアーニに、左WBの11番アダイからクロスをあげるか、奪ってからカウンターが基本の攻撃。
このチームで特筆すべきはセットプレーの強さ。3バックが全員190cm以上あるだけでなく、ストゥアーニは空中戦で抜群の強さを誇る。ここにボールを送る6番のグラネルの左足は正確無比であり、コーナーキックなどで他のクラブにはない圧力を相手にかけられる。
ベティス:前から人を埋めていく形でフォアチェック。特に乾が前線で、WBへのパスコースを切りながら積極的にプレスをかけて、GKまで戻させてロングボールを蹴らせる。
DFラインは相変わらず高めを維持。終盤に迎えたピンチは、DFの準備が整う前にそのラインの背後にアーリークロスを入れられたから。ジローナの得意な形のひとつであるカウンターは、試合を通じてポルトゥを自由にさせないことで上手く封じた。
ベティスの攻撃vsジローナの守備
ベティス:GKから丁寧にグラウンダーのパスをつなぎながら崩す。相手の5-2-3のブロックを前に、序盤には6番のカナレスが個人ではがしてチャンスを作ったが、それ以降前に出てこなくなったジローナに対して、なかなか後ろの5枚をズラせなかった。
1得点はジローナの選手たちが前に出すぎてしまい、DFラインと中盤の間にできたスペースを突けたことで生まれた。GKパウのキックは正確であり、ベティスの武器のひとつだ。
ジローナ:守備時はボルハ・ガルシアが2トップと同じラインまで上がって、ベティスの3バックに同数で対峙する5-2-3の布陣。両WGは相手3バックの両脇の選手を見るため、WBにはついていかず。
5バックは自分のゾーンを守って深追いはしない。しかしベティスの前線3枚に対して入る縦パスには厳しく圧力をかけてカウンターの基点となるボール奪取を目指す。相手の両シャドーがサイドでボールを受けた際は利き足側を切って逆足側に誘導する。
ジローナ監督:エウゼビオ・サクリスタン
ラ・レアルで見せていたような前線からの積極的なプレッシングは見せず、かなり守備的なゲームプランで試合に入った。その影響もあってストゥアーニがゴール前で仕事をするのは試合終盤約10分間ほどにとどまった。
ポルトゥを消されたことでカウンターの選択肢がほぼなくなったこの試合。攻守で並びが変わる可変システムで自陣深くに構えたが、カウンターが機能しない状態では最善の采配だったとは言えないだろう。試合終盤に4-3-3、4-2-3-1にシフトして前への圧力を強めたが、本来エウセビオ監督のやりたいスタイルはこちらに近いはずだ。
ベティス監督:キケ・セティエン
アウェイの試合で未だ勝ち星はおろか、得点さえ決められていない状況で迎えたこの試合。乾とブデブズをシャドーに置いた布陣で挑んだ。前から強烈なプレスをかけてきた前節のアトレティック・クラブとは打って変わって、強固な守備ブロックを自陣深くに敷いた相手に対して苦戦。
ようやくFWに得点が生まれたことは監督にとって何よりもうれしく、勝ち点3が伴ったことは評価に値する。昨シーズン同様、選手の起用法を探りながら最善策を探している最中だが、相手によってチームをマイナーチェンジさせる柔軟な対応力を観る限り、リズムをつかむのにはそれほど時間はかからないだろう。
主審:ゴンサレス・ゴンサレス
不安定なジャッジで、判断の基準もあいまいだった。後ろからのタックル(に見えるもの)に対しては厳しく笛を吹いていたようだが、そこに過敏で何もファウルのない場面で笛を吹きすぎた。
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