
ヴィッセル神戸は17日、ファン・マヌエル・リージョを新監督に招聘することを発表した。指導者キャリア、ジョゼップ・グアルディオラとの関係性などリージョにまつわる5つのポイントをご紹介したい。

指導者キャリア
ファン・マヌエル・リージョにはプロ選手の経験が全くない。若い頃はフットサルをプレー。わずか17歳でサッカーの指導者の道に進み、フットサルの細かな戦術をサッカーに持ち込んだ。4年後には地元クラブのトロサを率いてスペイン4部を戦うと、29歳でリーガ・エスパニョーラ(1部)サラマンカの監督に就任。これは、リーガの最年少監督記録であった。
ビッグクラブで指揮をとった経験はない。彼が指導したのは中堅以下のクラブばかりだ。それでも、業界ではヨハン・クライフの系譜を継いだ偉大な戦術理論家として尊敬を集めている。
本人はシステム(数字)など無意味だと一瞥もくれないが、4-2-3-1のフォーメーションを生み出したのはリージョだ。

グアルディオラの師匠
2003年に32歳のグアルディオラがカタールのアル・アリに移籍した際、多くの人はこれが現役最後のクラブになるだろう考えていた。
しかし、2005年にメキシコの新設クラブであるドラドス・シナロアへ1年契約で加入。バルセロナ在籍時にリージョの率いたチームと対戦し、感銘を受けていたグアルディオラは現役最後の地にリージョの率いるチームを選択したのだ。
最後のシーズン、グアルディオラは20試合に出場しピッチ上でも貢献したが、契約を結んだ時点で既に指導者としての準備期間であるは明らかだった。グアルディオラはリージョからの指摘を書き留めるために練習場に毎日ノートを持参。ピッチ外でもリージョとフットボールについての議論を交わしたという。
指導方法やそのフットボールスタイルはリージョから多くの影響を受けているとグアルディオラ本人も認めており、両者ともに認める師弟関係である。

戦術理論家
現代サッカーを語る上で重要な言葉の一つとなった「ポジショナルプレー」の理論化にリージョは大きく貢献している。選手の能力を正しく見極め、ピッチ上へ論理的に配置。ボールポゼッションを基本戦略として、相手が形成したブロックの背後で優位性を作り出す。アンドレス・イニエスタはリージョが目指すボールプレーの発展を大きく助けるだろう。

バルサ化?
「ヨハン・クライフの系譜を継いだジョゼップ・グアルディオラの師匠」と聞けば、バルセロナ化が進むと感じてもおかしくはないだろう。しかし、リージョは選手を型にはめて指導するタイプではない。ボールポゼッションという基本戦略は持ちながらも、選手個々の能力を活かした柔軟性のある戦い方を選択するはずだ。「バルサ化」ではなく、「ヴィッセル神戸のサッカー」の構築が期待できる。

注目すべき「言葉」
スペイン語には日本語にないフットボール専門用語が多数存在する。加えて、博識なリージョの言葉は難解であることが多い。選手たちと言葉の壁が生じることは懸念点だ。
キーマンとなるのは新たにヴィッセル神戸に加入し、通訳を務める在原正明氏。フットサル出身でFリーグのバルドラール浦安などで指揮をとったスペイン留学経験を持つ指導者である。世界有数の戦術家であるリージョの言葉が在原氏を通してどのように伝わってくるのか注目だ。
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