著者:チアゴ・ボンテンポ
森保一監督率いる東京五輪世代の日本代表は、インドネシアで行われたアジア大会において決勝に進出。延長戦の末にドラマティックな試合に敗れ、銀メダルに終わった。心を打ち砕かれるような結末だったにもかかわらず、ネガティブ要素よりもポジティブ要素の方が多い大会だった。そして森保監督の時代は幸先の良いスタートを切ったと言える。
まずふたつの免責について。大会スケジュールがタイトだったこと。日本は17日間で7試合をこなさなければいけなかった。そしてこれが試合のクオリティを妨げるものだった。もうひとつは、日本とサウジアラビアだけがU-21の選手たちで戦ったこと。決勝で対戦した韓国代表などは、考えうる最強のメンバーで高いに挑み、オーバーエイジ枠もきっちり3人使用した。
さらに、2020年東京オリンピックの主要メンバーになるであろう選手たちは、今回のメンバーに含まれていなかったのだ。堂安律、伊藤達哉、富安健洋の3人はすでに海外でプレーしており、A代表にも選出されている。中山雄太、橋岡大樹、安部裕葵といった選手たちも招集されなかった。つまり日本はU-21 Bチームで戦ったのだ。
森保監督は、メンバー入りからはまだ遠い選手たちに経験を積ませたのだ。J2で苦戦しそうなレベルのグループステージの相手と試合をする代わりに、呼ばれなかった選手たちがクラブにとどまることで成長しなかったとすれば、その一点については議論の余地があるだろう。しかし、決勝トーナメントで逆境をはねのけ、決勝戦で自分たちよりもずっとレベルの高い相手と戦った経験は何にも代えがたいものだろう。
しかしグループステージを終えた時点では何もポジティブな要素はなかった。ネパール相手に10分間だけいいプレーをし、パキスタン戦でも同じように10分間だけいいプレーをした。それだけだ。日本は相手を圧倒し、ピンチを迎えることも少なかったが、ほとんどの時間を目的なしにパスを回していた。スペインがワールドカップでしたように。ベトナム戦では、終始試合を支配され、チャンスを作ることはほとんどできなかった。0-1で敗戦し、2位での通過となった。
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