
大会:J1リーグ
カード:浦和レッズ対ジュビロ磐田
スコア:4-0
浦和レッズ担当医:菊池大将(@yukkenokonoko)
ジュビロ磐田担当医:高橋羽紋
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審

浦和MOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):ファブリシオ
下がりながら組み立てにも参加し、攻撃面ではドリブルを武器に単独で局面を打開するシーンも見られた。点の欲しい後半の経ちあがりにしっかりとした予測からゴールにボールを突き刺した。2点目もしっかりとしたポジショニングから冷静に沈めた。ファブリシオのアイデアやポジショニングは、3バックを敷く磐田のディフェンスラインを混乱に陥れた。

浦和THW(ザ・ハード・ワーカー):阿部勇樹
この試合を無失点で抑えることができたのは、阿部の存在が大きい。ディフェンスラインを統率しながらマークを受け渡し、ボランチとも連携を取って危険なところはしっかりと潰した。裏のスペースへのボールへの対処も冷静で、クリーンシートに大きく貢献している。

浦和MDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):対象者なし

磐田MOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):対象者なし

磐田THW(ザ・ハード・ワーカー):クシシュトフ・カミンスキー
4失点したがGKの過失はない。むしろ安定感のあるシュートセーブで危機を救った。ただ、風の影響を受けたせいか川又へのパスが届かず、ほとんどのボールを相手に拾われた。

磐田MDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):森下俊
裏への抜け出しに対してはラインを下げず、大井にカバーを任せる意図は感じられたが、武藤についていけず簡単に起点を作られた。

浦和監督:オズワルド・オリベイラ
基本は右サイドで攻撃を組み立てながら、クロスや中央との連携、逆サイドへの展開とパターンを用意して攻撃。最終ラインから数的有利を作って、高い磐田ディフェンスラインの裏を突くロングボールも効果的だった。山本がスペースをしっかり埋めきっていたことや、紙一重の部分で前半にゴールを奪うことはできなかった。ただ、守備時にスペースを消すのは浦和も同様で中盤での潰し合いは目立たなかったが、ボランチと最終ラインがしっかりと連携して守り切った。
後半は課題だったスペースを作るという部分で、ファブリシオをエリア内のよりゴールに近い位置でプレーさせる。これが功を奏し、3バックを敷く磐田の最終ラインは混乱。中央、サイドの両方にスペースが生まれ2得点を奪取した。3点目も良い形で奪い、4点目も集中力を欠いた磐田ディフェンス陣の隙をついてカウンター一閃。試合を終わらせた。良い試合はするが勝ちきれないような雰囲気の前半だったが、しっかりと修正し勝ち点3をもぎ取ったと言えるだろう。

磐田監督:名波浩
浦和と比較すると攻撃の起点と連動性、守備ブロックとプレスの強度で大きな差が見える試合となってしまった。
最終ラインの技術レベルを考えれば、後ろから繋ぐことは難しい。カミンスキーのキックが風の影響を受けて川又に届かず、ボールを次々に失った点は地味に痛かった。またこぼれ球を拾っても、選手間の立ち位置が悪く、パスコースを作れなかったため、ボールを前進させられず。川又が左サイドに流れて起点を作り、松浦との連携で切り崩そうとしたものの、浦和のハードプレスを前にパスの精度を欠いたため攻撃にならず。また川又がサイドに流れたことで、中央に人がいなくなったため、逆サイドに張ったウイングバックも相手に簡単にマークをされた。大久保投入後、中央に選手が増えて効果的な攻撃を繰り出せるようになったことは収穫だろう。
守備面でも問題が散見。DFラインを高くキープするため、3CBのサイド2人の背後は大井に任せる意図があったのだろう。しかし、ボール保持者にプレッシャーがかからないため、高精度のボールで背後を狙われてピンチを招いている。前線からのプレスをかけたいところであったが、狙い所も定まらず。たとえプレッシャーがかかっても簡単にウイングバックを経由してボールの前進を許している。
浦和はファブリシオ、武藤、興梠が連動。背後のスペースへ侵入する動きと、中盤のスペースに降りる動きを上手く使い分けており、磐田の守備陣に的を絞らせなかった。攻守のメカニズムは大きく異なるものの、3-4-2-1のフォーメーションを使うチーム同士の対決で完成度の差を見せつけられてしまった。

主審:山本雄大
ファウルの判定のミスやオフサイドの判定にミスがあったものの、試合の結果を左右するもではなかった。スピーディに試合が進んだことは評価できる。


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