海外日本人選手 代表チーム

今後の日本代表を背負うホープも。若くして海を渡った侍10選

昨季、ハンブルガーSVのFW伊藤達哉がブレイクしたことでドイツ国内では大きな話題を呼んでいる。同選手はブンデスリーガの4月の月間MVPに輝いている。そこで今回は過去に若い年齢で海外挑戦を決断した侍たちを一挙紹介する。


中田英寿

移籍年:1998年
移籍時の年齢:21歳
ベルマーレ平塚⇒ペルージャ
移籍後の所属クラブ:ローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナ、ボルトン・ワンダーランズ
欧州での獲得タイトル:セリエA優勝(ローマ、2000/01)、コッパ・イタリア(パルマ、2001/02)

1998年フランスワールドカップで中心選手としての活躍が認められ複数の海外クラブからオファー、ペルージャへと移籍した。移籍1年目から安定した成績を残し名門ローマへ移籍。ローマのレジェンドであるフランチェスコ・トッティともチームメイトだった。クラブでの成長により日本代表でも活躍をつづけ、日本を代表する選手へ。2006年ドイツワールドカップをグループリーグ敗退に終わると現役引退を発表。29歳の若さだった。


森本貴幸

移籍年:2006年
移籍時の年齢:18歳
東京ヴェルディ⇒カルチョ・カターニャ
移籍後の所属クラブ:ノバーラ・カルチョ、カルチョ・カターニア、アル・ナスル、ジェフユナイテッド千葉、川崎フロンターレ、アビスパ福岡
欧州での獲得タイトル:なし

Jリーグ最年少ゴール記録を塗り替えるなど将来に大きな期待を持たれた。カターニアへ移籍すると確実に結果を残し始める。しかし練習中に左ヒザ十字靱帯断裂の大ケガ負い1年目を棒に振ってしまう。2008/09シーズンにリーグ戦23試合に出場7ゴールと結果を残しA代表に初招集される。その後ノバーラなどでも開幕戦ゴール決めるなど活躍は見せたが、度重なるケガに悩まされるなど出場機会を失っていった。なおアル・ナスルに移籍した2013年以降は日本代表には招集されていない。


宮市亮

移籍年:2010年
移籍時の年齢:18歳
中京大付属中京高校⇒アーセナル
移籍後の所属クラブ:フェイエノールト、ボルトン・ワンダラーズ、ウィガン・アスレティック、トゥウェンテ、ザンクトパウリ
欧州での獲得タイトル:FAカップ (ウィガン、2012/13、アーセナル2013/14)

Jリーグを経由せず、いきなりのアーセナル移籍ということで大きな注目を集めた。しかし就労ビザが下りずにフェイエノールトへとレンタル移籍となる。翌年アーセナルにもどるもケガを負い前半戦を棒に振ってしまう。後半戦からは期限付きでボルトンへと移籍。レギュラーに定着するが、終盤にケガを負ってしまう。この年キリンチャレンジカップ・アゼルバイジャン戦でA代表初出場を果たす。その後もアーセナルでCL本戦、リーグ戦出場などを果たすもケガに悩まされ思うような活躍はできなかった。現在はドイツ2部のザンクトパウリに所属している。


宇佐美貴史

移籍年:2011年
移籍時の年齢:19歳
ガンバ大阪⇒バイエルン・ミュンヘン
移籍後の所属クラブ:ホッフェンハイム、ガンバ大阪、アウクスブルグ、フォルトゥナ・デュッセルドルフ
欧州での獲得タイトル:2.ブンデスリーガ(フォルトゥナ・デュッセルドルフ、2017/18)

バイエルン・ミュンヘンへの移籍が決まり日本サッカー界で大きな話題となったが、世界を代表するビッグクラブでのポジション争いは厳しく、5試合の出場に留まった。その後ホッフェンハイムへの移籍が決まったが目立った活躍はできなかった。その後ガンバ大阪へ戻りベストイレブンを受賞、再びヨーロッパに活躍の舞台を戻した。アウクスブルグでは低調なパフォーマンスに終っていたものの、昨季のレンタル先であるデュッセルドルフでは主力としてチームの1部昇格に大きく貢献している。


大津祐樹

移籍年:2011年
移籍時の年齢:21歳
柏レイソル⇒ボルシア・メンヒェングラートバッハ
移籍後の所属クラブ:フェンロー、柏レイソル、横浜F・マリノス
欧州での獲得タイトル:なし

ボルシアMGへ移籍するも厚い攻撃陣の間に割って入れず、リーグ戦3試合の出場に留まった。しかしロンドンオリンピックのU22代表メンバーに選出されると予選、本大会ともに活躍を見せチームトップの3ゴールを挙げベスト4進出に貢献した。翌シーズンはフェンローへと活躍の場を求めた。加入1年目に22試合に出場、2部に降格した2年目も20試合に出場した。その後は古巣である柏レイソルへと復帰するものの先発での出場機会が限られ、今年に横浜F・マリノスへ移籍している。


久保建英

移籍年:2011年
移籍時の年齢:10歳
川崎フロンターレU10⇒バルセロナユース
移籍後の所属クラブ:FC東京U15むさし、FC東京U18、FC東京(トップチーム)
欧州での獲得タイトル:U12ペララーダ・トーナメント(バルセロナU12、2012年)、U12ジュニアサッカーワールドチャレンジ(バルセロナU12、2013年)、ソグデソ・ヨーロピアン・ルーサスカップ・最優秀選手(バルセロナU12、2010年)、ペララーダ・トーナメント・最優秀選手(バルセロナU-12、2012年)

バルセロナの下部組織入団テストを2011年に合格。バルセロナ所属の日本人として国内でも大きな話題を集める。着々とスキルアップを果たすも、バルセロナ側に18歳未満の外国人選手獲得、登録違反によりチームを離れざる得なくなり、2015年にFC東京下部組織に入団。Jリーグ史上最年少出場記録、最年少得点記録を塗り替え大きな話題を呼んだ。飛び級でU16、U20日本代表にも召集されており、昨年5月21日FIFAU20ワールドカップ初戦、対U20アフリカ戦では逆転弾をアシストしている。


小野裕二

移籍年:2013年
移籍時の年齢:20歳
横浜F・マリノス⇒スタンダール・リエージュ
移籍後の所属クラブ:シントトロイデン、サガン鳥栖
欧州での獲得タイトル:なし

海外移籍1年目を左ヒザ靱帯断裂のケガを負い棒に振ってしまう。その後も思うような活躍はできずに、日本代表でのステップアップとはなっていない。ただ2017年にサガン鳥栖に加入しJリーグ復帰を果たすと、昨季こそリーグ戦19試合の出場にとどまったものの、今季はサイドやトップ下を主戦場にコンスタントに出場機会を得ている。


久保裕也

移籍年:2013年
移籍時の年齢:19歳
京都サンガ⇒ヤングボーイズ
移籍後の所属クラブ:ヘント
欧州での獲得タイトル:なし

ヤングボーイズ加入初年度から主に途中出場でリーグ戦34試合に出場7ゴール4アシストを記録しチームの3位躍進へ大きく貢献、EL予選の出場権をもたらした。翌年はEL予選で3試合に出場し本戦出場へ貢献。グループリーグ第1節スロヴァン・ブラチスラヴァ戦でELデビューを果たす。予選でも1試合2ゴールなどの活躍でチームを決勝トーナメントへと導いた。2017年からはベルギー1部のヘントに活躍の場を移した。シーズン途中の加入ではあったがチームに順応し5ゴールを決めている。2016年11月のキリンチャレンジカップで代表戦デビューを飾ると代表でもしっかり結果を残し、ハリルホジッチ監督の下でレギュラーを勝ち取っていたものの、同監督のワールドカップ・ロシア大会直前の解任の影響を受ける形でロシアW杯登録メンバーから落選した。


南野拓実

移籍年:2015年
移籍時の年齢:19歳
セレッソ大阪⇒ザルツブルク
移籍後の所属クラブ:ザルツブルク
欧州での獲得タイトル:オーストリアブンデスリーガ(ザルツブルク、2014/15、2015/16、2016/17、2017/18)、オーストリア・カップ(ザルツブルク、2014/2015、2015/2016、2016/17)

セレッソ大阪での活躍が認められザルツブルクへと2015年完全移籍。加入年から安定した活躍を見せ、2015/16シーズンにはリーグ戦10得点を記録、チームの主力へと成長している。2015年にはA代表へも選出。以降はアンダー世代での選出にとどまっているが今後はA代表での活躍が大いに期待されている。昨季は主力としてチームのリーグ戦4連覇達成に大きく貢献した。


伊藤達哉

移籍年:2015年
移籍時の年齢:18歳
柏レイソルU18⇒ハンブルガーSVU19
移籍後の所属クラブ:ハンブルガーSV
欧州での獲得タイトル:なし

育成に定評のある柏レイソルの下部組織で頭角を現すと、高校3年生の途中で海外挑戦を決断。ハンブルガーの下部組織加入1年目は環境への適応で苦しみ不本意なシーズンを送ったものの、昨季にトップチームで負傷離脱者が続出したことによりトップチーム昇格を果たすと、得意のドリブルで幾度となく対戦相手を困難に陥れるパフォーマンスが高く評価され、2021年までの契約延長を見事勝ち取っている。