今夏の移籍市場も終盤を迎え、各クラブが続々と戦力を揃えている。しかし、なかには「理解出来ない」と感じる移籍もいくつか存在する。そこで今回は英誌『フォー・フォー・ツー』が特集した「理解できない今夏の10の移籍」をご紹介したい。
アンドリー・ヤルモレンコ
移籍元:ボルシア・ドルトムント
移籍先:ウェストハム・ユナイテッド
移籍が発表されたとき、多くの人の目を引く契約であった。しかし、時代遅れの評判に基づいて選手を獲得しているのかもしれない。3年前は卓越した選手であったと言えるが、ウクライナからボルシア・ドルトムントへの移籍が遅かったため、ドイツで輝くことは出来なかった。
今夏ウェストハムはヤルモレンコの獲得後に、フィリペ・アンデルソンの獲得に成功。ヤルモレンコが最も得意とする右サイドのポジションはフィリペ・アンデルソンがレギュラーを務めるはずだ。無駄な補強といえるだろう。
ハビエル・パストーレ
移籍元:パリ・サンジェルマン
移籍先:ローマ
ローマのスポーツディレクターを務めるモンチ氏は世界的に高い評価を受けているが、この補強は酷い。パストーレは現在29歳にも関わらず、移籍金は2470万ユーロ(約31億5000万円)と高額。選手に対しても5年契約という破格のオファーを提示した。
パストーレはまだ能力のある選手かもしれないが、5年はあまりに長い期間だろう。PSGがファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の制裁を回避するために、選手を売却する必要があったことを考えれば、上手い交渉とは言えないのではないか。
ジョー・ハート
移籍元:マンチェスター・シティ
移籍先:バーンリー
ロシアワールドカップ本戦メンバーに招集されたニック・ポープと予備招集メンバーに含まれていたトム・ヒートンという2人のイングランド代表を保有しているバーンリー。さらに元マンチェスター・ユナイテッドのアンデルス・リンデゴーアなどが控えている。
ジョゼップ・グアルディオラ監督就任後、シティで定位置を失ったジョー・ハートはイングランド代表からも遠ざかっており、選手自身は助けを必要としている。ただ、バーンリーにとって必要な選手なのだろうか疑問が拭えない。
トッテナム・ホットスパー
移籍元:なし
移籍先:なし
人災だ。ダニエル・レビー会長が行なった今夏の移籍交渉はあまりにひどい結果となった。ミッドフィルダーの老朽化と選手層の薄さという欠陥を補おうとしなかった。
指揮官のマウリシオ・ポチェッティーノは今週木曜日の記者会見に出席。勇敢な顔付きで補強の必要性がないことを示唆している。
しかし、マンチェスターに本拠地を置く両クラブとビッククラブは補強によりチームを一段階グレードアップさせている。なぜトッテナムが補強を行わないのか。これは酷い失敗であり、昨季の強さを考えればクラブは長い間後悔することになるかもしれない。
サロモン・ロンドン
移籍元:ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン
移籍先:ニューカッスル・ユナイテッド
ニューカッスルにとって良い補強であることは間違いない。そして、もちろんロンドンにも過失はない。
しかし、マイク・アシュリー会長はアレクサンダル・ミトロビッチをほとんどラファエル・ベニテス監督と検討することなくフラムへ完全移籍で放出。代替役として安価のロンドンを獲得している。ベニテスはニューカッスルをトップクラブに導けないことを悟っただろう。
パウリーニョ
移籍元:バルセロナ
移籍先:広州恒大
ラ・リーガで大方の予想を上回る好パフォーマンスを披露したが、1年で退団することが決定した。4000万ユーロで加入し、5000万ユーロで売却。バルセロナにとって広州恒大は素晴らしいクラブだろう。
ジャック・ウィルシャー
移籍元:フリー(アーセナル)
移籍先:ウェストハム・ユナイテッド
契約期間満了によるフリー移籍でウェストハムに加入。ただ、ウィルシャーは怪我に悩まされており、26歳とはいえリスクの高い投資となるだろう。現時点ではウェストハムがウィルシャーに何を期待しているのか、ウィルシャーは再び復活するのか、成功する未来が見えてこない。
アダマ・トラオレ
移籍元:ミドルスブラ
移籍先:ウルバーハンプトン・ワンダラーズ
ウルバーハンプトンにとってこれは良い補強すぎる。トラオレはとても面白いプレーを見せる選手であり、国内最速の選手の一人だ。ただ、昨シーズンのチャンピオンシップ(2部)で、ディフェンダーとの1対1に勝ちながらもプレーが単発に終わっているという欠点が見つかったのもまた事実だ。
彼は現在22歳とまだ若く、恵まれた将来性を持っている。移籍金は1800万ポンド(約26億円)と格安で良い補強ができたと言えるだろう。
リシャルリソン・デ・アンドラーデ
移籍元:ワトフォード
移籍先:エバートン
移籍金は4000万ポンド(約58億5000万円)とかなりの高額移籍となった。高額になった要因として2つの重要な要素があると考えられる。1つ目はリシャルリソンがとてもポテンシャルの高い選手であり、豊かな将来性を持っているということ。2つ目はエバートンのマルコ・シウバ監督招聘(前ワトフォード指揮官)が移籍金に関連している可能性があるということだ。
レオナルド・ボヌッチ
移籍元:ミラン
移籍先:ユベントス
マッティア・カルダラ(等価トレード)とゴンサロ・イグアインを譲渡してまでボヌッチを獲得する必要性があったのかは疑問が拭えない。1年前に自らの意思でミランへ移籍しているため、ユベントスサポーターからの反応は冷たい。UEFAチャンピオンズリーグ優勝に貢献することしか認められる手段はないだろう。
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