代表チーム クロアチア代表

DR.TRIBE【試合診断書】フランス対クロアチア W杯決勝

大会:ロシアワールドカップ
カード:フランス対クロアチア
スコア:4-2
フランス担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
クロアチア担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審


フランスMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):ポール・ポグバ

グリーズマンが守備の範囲を定められないような、いやらしいサッカーをしてきたクロアチアに対して、徐々にプレスの位置を変えるなどして、前半の内から修正を図るなど工夫を見せた。攻撃面に切り替わってからも、ハイパフォーマンスを発揮。精度が高く、レンジの広いパスでチャンスを演出し、見事なゴールも挙げている。


フランスTHW(ザ・ハード・ワーカー):ラファエル・ヴァラン

絶妙なポジショニングで危険の芽を摘み、サイドで苦戦していたパバールのカバーリングなど周囲のディフェンダーの面倒を見た。攻撃に切り替わってからの配給も流石。攻守に渡って貢献度は高かった。


フランスMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):エンゴロ・カンテ

モドリッチを消すためにピッチにいたはずが、モドリッチの巧みなポジショニングとテクニックで逆に試合から消されてしまった。クロアチアのボールの狙いどころにもされてしまい、踏んだり蹴ったりの内容に。


クロアチアMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):イバン・ラキティッチ

圧倒的なパフォーマンスを見せた。対峙するポール・ポグバも素晴らしいパフォーマンスを披露したが、それを上回るような鬼気迫るプレーでチームを牽引した。中盤を完全に掌握しいつもよりも高い位置をとって、守備面でも前からプレスをかけて違いを創った。


クロアチアTHW(ザ・ハード・ワーカー):ドマゴイ・ビダ

優れたカバーリングでピンチをいくつか防いだ。セットプレーではターゲットとしてフランスゴールに迫った。ムバッペのゴールシーンではあれ以上の対応は出来なかっただろう。


クロアチアMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):ダニエル・スバシッチ

この大舞台で、これまでのパフォーマンスが嘘だったかのような不安定なプレーに終始した。1点目ももう少しいい対応ができたはずだし、4点目のステップもミスがあった。緊張た疲れが影響したことは間違いないだろう。


フランス監督:ディディエ・デシャン

これまでの戦いと同じくマテュイディを左に置いて、カンテで最も重要な選手を消しに行ったが、カンテが逆に消されてしまうなど、モドリッチ、ラキティッチ、ブロゾビッチのポジショニングに苦戦。それでもボールを握らせながら、カウンターから獲得したFKで先制に成功する。早いタイミングでカンテに見切りをつけてエンゾンジを投入するも、CB前のスペースが空いてくるなど効果的ではなかった。ただ、ポグバの個人能力などから主導権を握り試合を終わらせた。


クロアチア監督:ズラトコ・ダリッチ

時間に換算すればフランスよりも1試合分多く戦っており、試合の間隔も短かったクロアチアの選手たちを最後まで鼓舞して戦わせた彼の手腕は評価されてしかるべきだろう。この試合では4-1-4-1のシステムを採用し、ブロゾビッチを先発にチョイス。彼の指示か個人の判断であったかはわからないが、カンテがモドリッチをマンツーマン気味に見ていることに気づくと、右サイドに出して、ブルサリコを高い位置に押し出すことで、カンテとマテュイディ、そしてグリーズマンのポジショニングを混乱に陥れた。また、ペリシッチとストリニッチのコンビネーションで左サイドを押し込み、パバールの裏を再三ついてチャンスを作り、サイドの主導権を握った。1失点目と2失点目は完全にアンラッキーであったとしか言いようがない。特に1失点目はレフェリーのミスであり、彼らの責任はない。大会を大いに盛り上げ、小国に希望を持たせる素晴らしいパフォーマンスを披露したチームは胸を張って大会を去るにふさわしい。


主審:ネストル・ファビアン・ピタナ

一世一代の大舞台で笛を吹くプレッシャーは分かるが、フランスの先制点に繋がったFKはノーファウルだった。また、あのシーンはオフサイドの位置にいたポグバがプレーに関与していた。マンジュキッチがエリア内でユムティティに押されたシーンなど、正確ではないジャッジが連発した。世界で最も難しい試合のひとつと言っても過言でないW杯決勝だが、それを考慮してもなお、疑問の残るレフェリングだった。