
フットボール・イタリア(翻訳者:マリオ・カワタ)
10分間で5ポイント差を縮める
たった10分間。必要な時間はそれだけだった。もしナポリが予想を覆して彼らのファンと世界中の中立の人々が望んでいるスクデットを獲得したとしたら、この600秒間は最も重要なものとして記憶に残る。リスクを恐れなかった今シーズンの行方を決定づけた瞬間だ。
水曜日の試合の64分の時点で、マウリツィオ・サッリのチームはユベントスに勝ち点9差をつけられていた。2月中旬から9連敗中のウディネーゼにリードされていたのだ。一方クロトーネでは、ユーべがアレックス・サンドロのヘディングにより1-0でリードしていた。優勝争いは実質的に終わったかに思われたが、その1分後に全てが変わる。
ナポリは予想外のアルビオルのゴールで同点に追いつき、同時にクロトーネも予想外の同点弾を決めた。しかも驚くべき形で。
198cmのナイジェリア人シミーはクリスティアーノ・ロナウドのように空中に体を投げ出し、本家よりぎこちなく控えめだったとは言え、きれいにボールをヒットする。シュートはボイチェフ・シュチェスニーの守るゴールの隅に突き刺さった。
その後の6分間、2チームの差は6ポイントだった。ホセ・カジェホンの力強いシュートからのこぼれ球を、アレク・ミリクが押し込んでナポリがリードを奪う。更にロレンツォ・トネリが5分後に追加点。ユーべはカラブリアで引き分けた。こうして勝ち点差は10分間で、9から4に縮められた。
優勝争いは再び過熱し、ナポリは888km北に移動して日曜日にディフェンディング・チャンピオンと対戦する。ナポリにとって水曜日の幸運は最高のタイミングだった。それほど大きな意味を持たないように思えた日曜日の一戦は、突然その重要さを増した。
ナポリにとっては生きるか死ぬかの戦いであり、チャンピオンズリーグで敗退したユベントスも気が散ることはない。今の彼らの絶対的な目標は3年連続の国内2冠だ。これ以上の取りこぼしの余地はなく、ナポリには反撃の機会がないようにも思える。
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