Jリーグ サンフレッチェ広島

Dr.TRIBE【試合診断書】Jリーグ第2節浦和レッズ対サンフレッチェ広島

明治安田生命J1リーグ第2節浦和レッズ対サンフレッチェ広島が4日、埼玉スタジアム2002で行われた。

今回は試合におけるマン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)、ザ・ハードワーカー(THW)、モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP)を選出し、両チームの監督とレフェリーについての分析、評価をする。

浦和レッズ

MOTM(最優秀選手):長澤和輝
前半はなかなか敵ブロックの内側でボールを受けられず苦労したが、ボールを触れば的確にパスを配給。前を向いてボールを受けた時に見せる推進力は白眉であった。強烈なシュートは相手の脅威となり、守備でも相手の攻撃の芽を摘んだ。

THW(ザ・ハード・ワーカー):青木拓矢
この試合の先制点を挙げている。後半に見せたズラタンへのパスは1点もの。セカンドボールへの反応もよく、ピッチを駆け巡った。

MDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):マウリシオ
簡単に裏を取られ、コントロールミスでボールロストし、FKを与えるなど散々の出来。良いインターセプトも数回あったが、本来のパフォーマンスからは程遠い出来だった。

サンフレッチェ広島

MOTM(最優秀選手):柴崎晃誠
後半56分からティーラシンと交代で途中出場。中盤のパス回しに参加し、ゲームの流れを引き寄せると後半66分に値千金の同点弾を奪取。決して簡単なシュートではなかったが、ゴール左隅に叩き込み、1度の決定機を確実にものにした。

THW(ザ・ハード・ワーカー):ティーラシン・デーンダー
守備のタスクを完遂。パスカットからカウンターを発動させるなど、前半は数少ない広島のチャンスを全て演出していた。チームがボールを持てなかったため、後半55分に交代。与えられた役割は全うしている。

MDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):該当なし

失点シーンはサンフレッチェ広島守備陣に過失はある。しかし、1失点で耐え凌いだことが勝ち点3獲得に繋がった。

浦和レッズ

ボール支配率65%、シュートは12本、枠内シュートは7本。開幕戦、第2節ともに試合を支配しながら1得点のみ。勝ちきれずについに敗北を喫したことがすべてだろう。広島の形成するブロックの外側でボールを回す時間が長い。攻撃時は宇賀神をウイングの位置まで上げ、武藤と長澤がシャドーのポジション。逆サイドバックの遠藤はマルティノスの動き次第で攻め上がる、3-2-4-1のシステムだが、ファイナルサードでのクオリティ不足は否めず。トップの興梠は活きずに、最終的にはカウンターで仕留められた。

サンフレッチェ広島

忍耐で勝ち取った勝利だろう。ボール支配率35%で常に守勢に回った。攻撃はティーラシン、パトリック、柏好文の個人技頼みで打開策はなし。しかし、後半56分に柴崎晃誠を途中投入し中盤の枚数を増やすと試合の流れが変化。柴崎が値千金の同点弾を決め、勢いそのまま逆転弾に結びつけた。指揮官の決断が勝ち点3をもたらした。試合中の采配についても一定の評価は下せるが、攻撃のバリエーションはあまりにも少ない。(”タラレバ”になるが)もしも追加点を早い段階で決められていたら、試合は終了していただろう。

主審:木村博之

大きなミスはなく無難に判定を下した。議論となるのは、FKから武藤雄樹が頭で合わせて、ゴールネットを揺らしたシーン。ファールの判定でゴールは取り消されている。槙野智章が手を掴んでいたため、ファールの判定は間違っていないだろう。