プレミアリーグ マンチェスター・ユナイテッド

ジョゼ・モウリーニョ事件簿。世界最高峰の指揮官 vs サッカー界の重要人物

ジョゼ・モウリーニョ監督はこれまでにポルトガル、イングランド、イタリア、スペインで数々のタイトルを獲得。監督として高い手腕を見せる一方で、過激で挑発的な発言がたびたび波紋を呼んでいる。今回はそんなモウリーニョ監督が起こした事件の数々をご紹介しよう。

vsアントニオ・コンテ Part1
時期:2017年3月

2016/2017シーズンのFAカップ準々決勝でユナイテッドはチェルシーと対戦。

ユナイテッドMFアンデル・エレーラが退場となった場面を巡り、モウリーニョ監督がとコンテ監督はタッチライン上で激しい口論を繰り広げた。

コンテ監督は「アザールは蹴られてばかりだった。そんな状況でサッカーをするなんて不可能だ。私から見ればそれはサッカーじゃない」とコメント。この1試合をきっかけに両者の舌戦が始まった。

vsアントニオ・コンテ Part2
時期:2018年1月

モウリーニョ監督は4日の記者会見で、コンテ監督のテクニカルエリア内での立ち振る舞いについて言及。「私はタッチライン上で”ピエロ”みたいには行動しない。私の振る舞いはより成熟したものになっている」と発言している。

”ピエロ”と形容されたコンテは「彼は過去の自分自身について話をしていたのかもしれない。過去に自分が何を言ったのか、どんな行動したのか忘れているはずだ。誰の発言かは知らないが…その”認知症高齢者”は過去に自分が行ったことを忘れているのだろう」と反撃した。

vsアントニオ・コンテ Part3
時期:2018年1月

今月5日、FAカップ3回戦でダービーに勝利した後、モウリーニョ監督は再びコンテ監督を口撃。2011年、コンテ監督がシエナを率いていた当時、試合が不正に操作されたことを認識しながら、申告しなかったとして4カ月の職務停止処分を受けたことを皮肉った。

「この話を終わらたい。私は過去にタッチラインで何度か間違った行動をとったことがある。でも、それはコンテより少ない回数だ。今後それが起きるかもしれない。だが、職務停止処分なんて受けてことはないし、今後も決してないだろう。」

vsアーセン・ベンゲル Part1
時期:2005年

2005年、アーセナルのベンゲル監督はチェルシーがリーグカップでチャールトンに敗れたことについて「少しは自信も揺らいでいるのではないか」と発言。

これにモウリーニョ監督は「世の中には望遠鏡で他人の家の様子を覗き見することを趣味とする病的な人間がいる。ベンゲルもその1人に違いない」と反撃した。

vsアーセン・ベンゲル Part2
時期:2014年

2014年2月、アーセナルのベンゲル監督は当時リーグ首チェルシーを率いていたモウリーニョ監督に対し「失敗への恐怖がある」と発言。

これに対しモウリーニョ監督は「私が失敗を恐れているのだとすれば、それは私があまり失敗したことがないからだ。彼は失敗のスペシャリストだ。8年間も無冠が続いているのだからね」と強烈な皮肉を言い放っている。

vsチームドクター(エバ・カルネイロ氏、ジョン・ファーン氏)
時期:2015年8月

2015年8月にホームで行われたプレミアリーグ開幕節のスウォンジー戦。2-2で迎えた後半アディショナルタイムにベルギー代表MFエデン・アザールが負傷したため、ピッチに入り治療を施した。

後半52分にベルギー代表GKティボー・クルトワが退場。後半ロスタイムの同場面では、チームドクターがピッチに入ったことにより、アザールは一度ピッチ外へ出ることを求められ、チェルシーは一時9人の状態で戦うことになった。

モウリーニョ監督は試合後の記者会見で「私はチームドクターが取った行動に不満だった。彼らは未熟な行動をとった。チームの誰であってもベンチに座る以上、試合を理解しなければならない」と痛烈に批判。

この事件がきっかけとなり、カルネイロ氏は退職に追い込まれている。

vsチェルシーの選手
時期:2015年8月

2014/2015シーズン、モウリーニョ監督に率いられたチェルシーはリーグ戦とリーグカップの2冠を達成。しかし、翌年は開幕16試合終了時点で16位と低迷。

低調なパフォーマンスを見せる選手に対して「昨季、私は素晴らしい働きをしてみせた。そして、選手たちは実力以上のレベルを見せてくれた。しかし、今季は全くそのレベルにない」と批判した。

この会見の3日後にチェルシーはモウリーニョ監督解任の決断を下した。

vsクリスティアーノ・ロナウド
時期:2007年

モウリーニョ監督は「ユナイテッドのファールにはPKの判定が下されず、チェルシーにはPKが与えられない」と発言。

2007年、C・ロナウドは「モウリーニョはいつも大きなことを言って、注目を集めようとする。自分の采配ミスは絶対に認めない」とコメント。

この発言に対しモウリーニョ監督は「子供の発言(C・ロナウド)には、敬意がまったく感じられない。おそらく、教育の問題だろう。厳しい少年時代を過ごしていた子供は十分な教育を受けられなかったんだろう」と口撃している。

vsメスト・エジル
時期:2010年〜2013年

かつてレアル・マドリードで師弟関係にあったMFメスト・エジルは自伝でモウリーニョ監督との衝突を回想している。

モウリーニョ監督はロッカールームでエジルに「お前は2本の美しいパスで十分だと考えているだろ。お前は今の50%でも十分だと考えているだろ」と怒鳴り散らしたようだ。

エジルはユニフォームを床に投げつけたが、モウリーニョ監督は怒鳴り続けた。「もう諦めるのか。なんて臆病者なんだ。一体どうしたいんだ?温かいシャワーに逃げ込みたいのか?シャンプーでもしたいのか?一人になりたいのか?それとも仲間やスタンドのファンや自分に、実力を証明したいのか」といったという

エジルはそのままシャワーに入ったそうだ。

vsティト・ビラノバ
時期:2011年

モウリーニョ監督は2011年のスペイン・スーペルコパ第2戦でバルセロナのアシスタントコーチを務めていたティト・ビラノバ氏に対して、後方から目潰し攻撃を行った。

その後、モウリーニョ監督は「あの時は自分に非があった。言い訳を探すつもりはない。自分が過ちを犯した」と反省の弁を述べている。

vsラファエル・ベニテス
時期:2015年

2015年、ラファエル・ベニテス監督はモウリーニョ監督の後任としてレアル・マドリードの指揮官に就任。インテル、チェルシー、マドリードと、三つのクラブでモウリーニョ監督の後に指揮を執ることになった。

ベニテス監督の妻であるモンセラート・セアラ氏は、メディアに対して「チームを散らかしたモウリーニョ監督の後片付けを、またしても夫がさせられる羽目になった」と発言。

この発言に対しモウリーニョ監督は「夫人は少しご乱心めされたのだろう。彼はたった半年で、当時の欧州ベストチームを壊した。夫人はもっと自分のやるべきことを行うべきだ。夫の体形を見れば、私のことをどうこう言っている暇はないはずだ」と反撃した。

vsクラウディオ・ラニエリ Part1
時期:2008年〜

モウリーニョ監督とクラウディオ・ラニエリ監督の間には長い口喧嘩の歴史がある。

2008年、当時ユヴェントスを率いていたラニエリ監督は「私はモウリーニョのように、安心を手にするために勝つ必要はない」とコメント。

インテルを率いていたモウリーニョ監督は「だからこそ私は多くの勝利を手にしてきた。ラニエリはそういうメンタリティじゃない。だから、70歳近くにもなってスーパーカップ1回と小さなタイトルしか獲得していないんだ」と、当時56歳のラニエリ監督を批判した。

vsクラウディオ・ラニエリ Part2
時期:2008年〜

両者の舌戦はさらにヒートアップし2008年に「ラニエリ、君はイングランドに5年間もいて、『おはよう』『こんにちは』と言うのも大変だったじゃないか」と発言。

モウリーニョ監督は2010年にも、チェルシーでの3年半を無冠で終えたラニエリ監督を「負け犬」との言葉を用いて批判した。

しかし、2017年レスターを解任された時には「プレミアリーグ王者、FIFA最優秀監督が解任されてしまった。新たなフットボールだった。笑顔でいるんだ、友よ。君の描いた歴史は誰にも消すことはできない」とコメントしている。

vsマンチェスター・シティ
時期:2017年

敵地でダービーマッチ勝利の喜びを爆発させるシティにモウリーニョ監督は激怒。相手のロッカールームに乗り込むと、両軍入り乱れての乱闘に発展。モウリーニョ監督はプラスチックボトルが直撃し、牛乳をかけられたという。

モウリーニョ監督はこの騒動について「私にとって、これは単なる”多様性”の問題だ。しつけと教育に関する多様性だ。それ以上のものではない」とシティの選手は教育がなっていないと批判している。