左からチェーザレ・ポレンギ氏、マヌエル・ベッレリ氏、ロニー・クインタレッリ氏 写真提供:Getty Images
最後に話題になったのは、これから訪れる悲しみに暮れるだろう2018年の夏についてだった。W杯を優勝できるできないに関わらず、4年に1度、友人と集まって優勝を夢見ながら楽しいひと時を過ごすのは私たちにとって習慣になっていた。しかし、サッカー協会とベントゥーラ率いるイタリア代表が私たちからそれを奪い取った。
周囲の客が続々とレストランを後にする中、ロニーが心情を語り始めた。
「4年の間この祭典を待っていたのに、こんな結果になるなんて…こんなことが2度と起きないようにイタリアのサッカー界に変わってほしい。イタリアのいないW杯なんて僕にとって悲しみ以外のなにものでもないよ」
マヌエルが笑いながら「W杯をもう観れないかも」とジョークを言った。
「この夏はロニーのレースを観て、ミランのサッカースクールの成長を楽しむことにするよ。不思議な夏になりそうだ。2006年のW杯では、しっかりと努力すればで素晴らしい結果がついてくるということを証明できた。これからは将来のベースになるものを作り始めることに集中するだけだね」
確かに未来のことを考えるべきだと思う。東京の雨空の下、寂し気な顔でお互いに挨拶を交わした。悲しいけれど、ほんの少し希望も感じた。ブッフォンがスウェーデン戦のあとに残した言葉から生まれた希望だ「未来はある。私は誇り、力、しぶとさ、賢さを兼ね備えている。転んでも立ち上がる強さが私たちにはある」まさしくその通りだ。イタリア人はそういう生き物なのだから。
コメントランキング