久保裕也との対比
久保が読みにくい謎の選手とされている一方、森岡はとても共感を呼ぶ選手で、ベフェレンのみんなとおしゃべりすることも大好きだ。彼の将来は明るく、スペインでプレーするという夢ももはや不可能ではないと思われる。バルセロナ、そしてイニエスタが彼の大きな手本であることは明らかだ。現在の森岡の成績からは、ビッグクラブがベフェレンに起こっている日本人旋風に興味を示すだろう。しかしベルギーも森岡をそう簡単には手放さないはずだ。
現在の森岡はどうか。いつも笑顔で、日ごとにベルギーでの成功を楽しんでいる。先週末ベフェレンは、5-1でオイペンを下した。またしても森岡の活躍が目立ち、彼は同試合で2ゴールをあげた。5アシストも記録し「プロ・アシスト・センチュリー21」ランキングでトップに位置している。
一方で久保は苦戦中だ。昨シーズン、リーグ17試合で11ゴールをあげ人々を驚かせた日本人ストライカーだが、新しいシーズンではまだ初ゴールを決めていない。昨シーズンと比べると、大きなチャンスを逃したり、試合中の判断ミスの積み重ねが目立っている。現在ヘントはほぼ最低の15位で、監督やチームにかかるプレッシャーはとてつもなく高い。自身最高レベルを取り戻したい久保にとって、素晴らしい状況とはとてもいえない。
しかしながらヘントのハイン・ファンハーズブルック監督は、久保が日本代表ワールドカップ最終予選からすっきりした気持ちで戻ったと、望みを寄せていた。「彼は今ハッピーで鋭く見える」と、先週土曜に行われたヘンク戦の2日前に監督は言った。久保はベンチスタートだったが、途中出場しても調子が悪かった。ピッチ上で不在のようにみえ、そのパフォーマンスでは良い評価も得られなかった。
つまりベルギーでプレーするのもそこまで簡単ではないということが明らかになった。長く厳しいシーズンを終え、久保はここ数ヶ月で、ベルギーでのパフォーマンスを維持するのに必要な身体的、精神的な準備をは過小評価できないことを発見している。これは森岡にとっての警告でもある。ハネムーンの後、人生は普通の道に戻るものだ。久保や森岡のような高い技術を持った選手でも、ジュピラー・プロ・リーグで当たり前に約束されたものは何もないのである。
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